【最終更新日:2022/12/30】
- アソビシステム&マガジンハウスによるハラスメント&著作権侵害事件が起きたらしい
- マガジンハウスといえば、こんなこともあった
- ライターさんはイラストレーターと比較して、不利な条件で働いてる人が多い気がしていた
- 【2022/12/30追記】結局裁判になりましたが、和解が成立したようです。
- 参考リンク
アソビシステム&マガジンハウスによるハラスメント&著作権侵害事件が起きたらしい
先日、下記のnoteがTwitterで話題になっていました。
(一部界隈だけかな)
元の文がかなり長文の上、追記も多いので、ものすごいボリュームになっています。
この件について、かなりザックリ整理すると、下記のようになります。
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1・最初、丘田ミイ子さんは、アソビシステム運営のサイトで「カレーときどき村田倫子」の記事執筆の仕事をしていた。
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2・アソビシステムの担当者が変わったら、仕事が増えて、ギャラの支払いが滞り始めた。新担当者は、ムチャクチャ態度悪い上に、そのうちパワハラも受けるようになった。しかも最終的には
「てめえ、こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって。聞き方が癪に障るんだよ。連載がなくなってもいいのか。そんなのでこちらは困らないし、こっちで全部無くすことだって簡単にできる」
という暴言を吐かれた上に、
「法的な問題を起こす可能性もあるから出禁にした」と悪質な嘘を吹聴。
↓
3・連載の権利がマガジンハウスのHanako編集部に移り、丘田ミイ子さんの原稿確認がないまま、単行本化される。
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という話です。
今回の件まで知らなかったのですが、アソビシステムって、なんと資本金が1000万円しかないんですね。
これだと、下請法が適用にならない。
なので下請法違反は問えないのですが…独占禁止法違反(優先的地位の濫用)は問えるかもしれない。
↓「コンテンツ取引と下請法」パンフレット
しかし、一般常識として考えて、不払いの上「こっちが下手に出てりゃいい気になりやがって」とか言うの、ありえないと思いました。
パワハラしといて、下手も何もないのでは 笑
そもそも、社会人として、だらしなさすぎるのでは…
マガジンハウスの行いは、もしこのnoteに書いてあることが事実ならば、完全に著作権侵害ですし、騙してますよね…
マガジンハウス荒川氏より入電。
電話は「すみません、メール送ったつもりで」に始まり、「本連載が書籍化することになりましたので報告で」とのこと。真っ先に「当連載の文章は1年分私が書いていましたが、校了までにこちらで事前に確認することはないですか?」と伺いを立てるも、「丘田さんの文章は使わず、1年分は写真やイラストのコラージュと村田氏の編集後記、店舗情報などで構成するため確認することはなく、報告で連絡しました」との説明を受ける。
本当にガッカリです。
マガジンハウスといえば、こんなこともあった
そういえば、この件で思い出したのですが、マガジンハウスでは、以前、こんなこともありました。
ラティーナの問題、マガジンハウスにも飛び火すべき。僕が書いた『POPEYE』や『BRUTUS』の記事はウェブや合本に勝手に二次使用されていたし、もちろんギャラもなし。編集者からは一切の説明はなし。コンビニで記事が載ってるのを発見した。『POPEYE』の合本『20歳のとき何をしていたか』に至っては、
— 神田桂一@『台湾対抗文化紀行』(晶文社)発売中! (@pokke0902) 2020年12月24日
少しだけ稼働もし、献本もすると言っておきながら、なしのつぶて。コンビニで発見し、さすがにムカついて、雑誌を送ってもらった。ライターを舐めすぎているんじゃないか。それとも僕だけが舐められていて、重要なライターには別の態度をとっているとか。だったら余計に最低。
— 神田桂一@『台湾対抗文化紀行』(晶文社)発売中! (@pokke0902) 2020年12月24日
「ラティーナの問題」とは
ちなみにこの「ラティーナの問題」というのは、2020年12月に発覚した、
”note proで運営されている「ラティーナ」の有料マガジンが、著作権者(筆者・ライター)の許諾なく販売されていた"
という、大規模な著作権侵害(著作権法違反)事件のことです。
この事件は、起きた原因も、かなり衝撃的なものでした。ラティーナの花田編集長がこのような違法行為を行った理由と、それに問題を感じなかった理由が「他誌に自分が書いた原稿が、何の連絡もなく、ウェブ転載されていたから」だったのです。
この件については、下記リンク先「2・違法コンテンツが販売されている問題(ラティーナ問題)」に詳しく書いてありますので、ぜひご覧ください。
ライターさんはイラストレーターと比較して、不利な条件で働いてる人が多い気がしていた
私も、ごくまれにですが、「ライター」として契約して、イラスト以外の仕事、ライターとしての仕事をすることがあります。
その際も、イラストレーターの仕事をするときと同じように、独自で作成した確認書を必ず交わしています。
周りのライターさんの話を聞いていても、ライターさんは、イラストレーターと比較して、かなり契約関係が曖昧なままで、不利な条件で働いている方の比率が高いような印象を持っています。
なんで契約書を作らないんだろう?
なぜフリーの編集者さんやライターさんは、イラストレーターや漫画家のように、「職業団体」がないんだろう?
と、知り合いのライターさんの愚痴を聞くたびに、疑問に感じています。
文美国保に入れる団体も、フリーの記者・ライター人口と比較すると、かなり少ない気がします。
*ちなみに、私はイラストレーターですが日本漫画家協会の会員で、日本漫画家協会は、文美国保の組合加盟団体です。漫協はイラストレーターでも入れます。もし直接の知り合いで、漫画家協会に入会したいという方は私にご連絡ください。(漫画家以外にも、漫画編集者・研究者・原作者でも入れます)
事件の早期解決を願っております。
ちなみに、いま、弁護士さんと一緒に、私が仕事するときに使っている「確認書」の解説記事を作っています。たぶん私と近い仕事をしている方には、参考になるかと思います。
契約まわりが不安なフリーランスは、震えて待て!!
【2022/5/17追記】
私が仕事するときに実際に使っている「確認書」の解説記事を作りました。
これ作っておくと、仕事条件が曖昧にならないので、トラブルを防げますよ!
【2022/12/30追記】
「イラストレーション」2022年12月号で「著作権と契約」の記事を書いたので、こちらもよかったら参考にしてください。
【2022/12/30追記】結局裁判になりましたが、和解が成立したようです。
【裁判、終わりました】
— 丘田ミイ子 (@miikixnecomi) 2022年12月29日
マガジンハウスHanako編集部より刊行された『村田倫子のカレーびいき』における著作権・肖像権の侵害と書籍化前の連載運営元であったアソビシステムによるハラスメントの提訴に関してご報告です。
note及び添付の文書をご参照いただけますと幸いです▷https://t.co/6mwUSJSS8t https://t.co/ZsQIyPLaXt pic.twitter.com/xfoBVglwgR
note.com謝罪と各10万円、20万円か…でも丘田さんにとっては、謝罪してもらうことが一番の目的だったのだろうから、良いのかな。お疲れ様でした。
参考リンク
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