*これは私が持っている情報の一部です。私はこういった事件について書くことは専門外です。これらの問題については、本来なら、新聞社等のマスコミやWEBメディアなど「取材執筆活動を本業とするプロフェッショナル」に、きちんと問題を把握してもらい、調べて書いてもらいたいと考えています。
最近、note株式会社が運営するメディア「cakes」の炎上が続いていますね。
cakesの炎上事例は、主に下記3つとされているようです。
1・DV被害者への二次加害事件(2020/10/19)
nlab.itmedia.co.jp
2・ホームレス記事問題(2020/11/11)
www.asahi.com
3・あさのますみさんの連載消滅問題(2020/12/09)
しかし現在、メディアにおいては、なぜかDV被害者二次加害問題、cakesのホームレス記事問題など、cakesのコンテンツ内容や編集体制への批判のみがされており、note株式会社及び、「note」の問題点については、なぜか書いているメディアがありません。
以下、かなりザックリではありますが、私が知っている&問題だと思っているnote株式会社及び、「note」の問題点について、私がヤバいと思う順に書いていきます。
私が特にヤバいと思うのは3つ
1・IPアドレス漏洩、本当は何が漏れているのかわからない問題
2・違法コンテンツが販売されている問題
3・コンテンツ削除&売上没収問題
他は、4・トラブルが起きても販売者情報が開示されない問題、5・社員イラストレーターの募集条件がひどい問題、6・情報商材の巣窟になってる問題、7・Amazonの商品リンクを貼ると勝手にリンクが改ざんされ、noteのIDが入ったアフェリエイトになってしまう問題
8・「ビュー」=PVではない。誤解を招くものになっていてセコイ問題
全部で8つです。
【私とnote株式会社との関係性明示】
・私はcakesのクリエイターアカウント(筆者アカウント)を出版社経由で2015年から持っています。
・noteも2015年からアカウントを持っており、2万人以上のフォロワーがいて、noteにおいては一時期「おすすめユーザー」の扱いになっていました。
・note株式会社から金銭の支払いを受ける形でユーザーインタビュー(ユーザーヒアリング)を受けたことがあります。
・しかし、noteのIPアドレス漏洩事件への対応に納得がいかず、8月末でnoteの更新はやめて、いま、こちらのはてなブログにコンテンツを移転するべく、作業中です。(まだ退会できていないが、退会の予定です)
詳しくはこちら→ https://www.tomokooosuki.com/noteyameta-02/
- 1・IPアドレス漏洩、本当は何が漏れているのかわからない問題
- 2・違法コンテンツが販売されている問題
- 3・コンテンツ削除&売上没収問題
- 4・トラブルが起きても販売者情報が開示されない問題
- 5・社員イラストレーターの募集条件がひどい問題
- 6・情報商材の巣窟になってる問題
- 7・Amazonの商品リンクを貼ると勝手にリンクが改ざんされ、noteのIDが入ったアフィリエイトになってしまう問題
- 8・「ビュー」=PVではない。誤解を招くものになっていてセコイ問題
- 余談:先日のnote株式会社の社長の謝罪について
- 参考リンク
1・IPアドレス漏洩、本当は何が漏れているのかわからない問題
今年8月に発生した、noteのIPアドレス問題に関しては下記2本のブログに書きました。
1・2020/09/01
2・2020/10/04
・本当にIPアドレスの他に漏えいした情報はないのか
という点については、2020年12月19日現在、未だに明らかにされていません。
これは、セキュリティリスクあるぶん、多くの人に関わる問題だと思うのですが…
しかも、この件に関する説明の、「最終プレスリリースが実質的に嘘だった(問題ないと言い切っていたが、実際には問題となるような脆弱性が複数存在した)」問題については、どのメディアも未だ追及していません。
・noteが出した最初のリリース(2020/08/14)
・続報 (2020/08/14)
・最終報と見られるリリース(2020/09/30)
*昨日気づきましたが、知らない間に「(現象自体は2019年4月11日から発生)」という文言が追加されていました。この追記が、いつされたのかも明記されていません。こういう、「報告」や「お詫び」文を、一度出した後でこっそり書き換えるというのも、不誠実さを感じます。
note.jp
この件については、私はかなり危機感を感じており、こういった低モラルかつ不誠実な企業の問題について、きちんと報じられることがなく、論じられないことが、ゆうちょ銀行の不正引き出し事件などにつながっていると感じています。
私が知る限り、この問題について、名指しでnote株式会社の広報のあり方を批判したのは、@ITだけだと思います。
「しかし、インシデントを隠したり、過小に装ったりすることだけはしてはいけません。」
2・違法コンテンツが販売されている問題
(2020年12月)note proで運営されている「ラティーナ」の有料マガジンは、著作権者(筆者・ライター)の許諾なく販売されているようです。
e-magazine.latina.co.jp
この問題については、togetterでまとめられていました。
【2020/12/23追記】現在はラティーナについては、違法状態はなくなったようです。
「本日2020年12月23日の正午12:00をもって、転載に対して明確に承諾の確認を取れていないすべての記事の掲載を取りやめました。」
「今後は、過去記事を掲載する際は、その都度、書き手の方から許諾を受け掲載します。」
しかし、著作権侵害コンテンツが有料noteで販売されているという事例は他にも複数の事例があり、権利者がnote株式会社に報告しても、適切な対応がされなかった(少なくとも権利者が納得する対応ではなかった)という事例を、私は知っています。過去の事例なので、今は解決しているかもしれませんが…
ラティーナの場合は連絡先が明確であったために、権利者が直接編集部に問い合わせることができましたが、後述の4の問題のように、「トラブルが発生した際でも販売者情報が開示されない」という運用がされるのであれば、有料noteにおける著作権侵害への対応は、かなり困難になるように思われます。
【2020/12/23 21:46 追記】
ラティーナ、まだ、無許諾の記事が残っているようです。
今、ちょっとだけチェックしてみましたが、例のごとく仕事が甘く、削除されていない無許諾の記事が簡単に見つかりました。ゆえに、現在も違法状態です。 https://t.co/5piIEl1boC
— kentarotakahashi (@kentarotakahash) 2020年12月23日
【2020/12/27追記】
ラティーナ寄稿者で著作権侵害の被害者、高橋健太郎さんによる、この問題についてのまとめができていました。
【2020/12/29追記】
ラティーナ寄稿者の中原仁さんによるブログがUPされていました。
3・コンテンツ削除&売上没収問題
コンテンツ削除や売上没収をされているのは、いわゆる情報商材だけではないみたいです。漫画家さんの作品も、理由の説明なく削除になった方がいるとか。
「今まで何年間も限定的な有料記事で性描写のある漫画を掲載していた漫画家さんが、今年になって唐突にアダルトコンテンツとして停止勧告を受け、作品を公開できなくなったこと。その作家さんが登録して定期的に公開を始めたのは何年も前なのに、なぜそのタイミングでの勧告なのか不明であり、参加した作家さんに負担をかけていること。また、アダルトコンテンツの基準が不明なこと。」
しかしイケダハヤト氏も書いていましたが、こんなにいろいろ問題があるのに、最近までクリーンなイメージを保てていたのは、本当にすごいと思います。
noteはそういうグレー、ブラックな取引からも手数料収入を得ているわけで、ここらへんが問題にならないのはうまいですね(イケハヤが詐欺noteから手数料収入を得てたら間違いなく叩かれて逮捕されるw)。
note運営は、ここらへんのブランドコントロールが巧みです。まったく皮肉じゃなく、この状態にも関わらず「クリーン」な印象を形成できているのはテクニカルに学びがありますね。
その一方で、山口敬之氏の投稿に関しては、いったん消して、山口氏からの抗議後に、すぐ復活させたりしています。
totalnewsjp.comこれは私もリアルタイムで見てました。
全体に、コンテンツ、作家(=クリエイター)の作品、文章や言葉というものに対し、あまりにも敬意がなく、あまりにも軽々しく扱いすぎのように思います。
4・トラブルが起きても販売者情報が開示されない問題
(2020年12月)返金トラブルが起きているようです。
この件の被害者の方は弁護士に相談の上、「発信者情報開示請求」をしたみたいですが、noteにおいては販売者=発信者ですから、本来ならnote株式会社はいずれにせよ情報を開示しなければならない状況なのではないかな?と私は思うのですが…なぜこの状況で、「コンテンツ販売者の情報」を開示しないのか不明です。(「販売者情報開示請求」をしてないから?)
noteの販売者開示請求申請書
https://note.com/pdf/specified.pdf
noteと特商法については、2014年から問題になっていたようです。
ronnor.hatenablog.com
noteの利用規約では「当社は、当該契約について契約の当事者とはならず、当該契約に関する責任は負いません。したがって、当該契約に際し万一トラブルが生じた際には、ユーザーとクリエイターとの間で解決していただくことになります。ただし当社は当事者間のトラブルに関し、その解決に向け最大限努力します。」
とあります。にもかかわらず、実際に返金トラブルが起きた際に、販売者の情報が開示されないというのは、かなりおかしな運用なのではないかと個人的には感じます。
note総則規約
7.取引契約7.1 本サービスにおいてクリエイターが有料または無料でデジタルコンテンツを販売または各種サービスを運営する場合は、クリエイターとユーザーとの間において直接契約が成立することになります。当社はクリエイターにコンテンツの販売および各種サービスの運営の場を提供する立場になります。当社は、当該契約について契約の当事者とはならず、当該契約に関する責任は負いません。したがって、当該契約に際し万一トラブルが生じた際には、ユーザーとクリエイターとの間で解決していただくことになります。ただし当社は当事者間のトラブルに関し、その解決に向け最大限努力します。
5・社員イラストレーターの募集条件がひどい問題
6・情報商材の巣窟になってる問題
www.bloglifer.net上記ブログでも、上記2・4に書いた特商法の問題、著作権侵害コンテンツの販売が容易な問題は指摘されています。
なぜか消費者よりも、販売者の方が強力に守られているのだ。
実名制の回避により、販売者のリスクを下げられる。たとえば、低品質のnoteを高額で販売し、批判を受けた過去のある人でも、新しい名前で一から信用の構築が可能になるだろう。
低品質の有料コンテンツ販売を実名でやるのをためらう人は多い。実名を隠せるnoteはこうした人にも使いやすくなっている。結果として、実名を公開したくない人たちがnoteというプラットフォームへ集まっているのだ。
7・Amazonの商品リンクを貼ると勝手にリンクが改ざんされ、noteのIDが入ったアフィリエイトになってしまう問題
(2019年9月)
note.comこれに対するnoteからの説明は以下(なんで個人noteで説明するのか?)
note.com
指摘されてから1年以上経ちますが、未だに利用規約には書いてありません。
一応ヘルプには記載がありますが…ヘルプを積極的に見に行かない限り、ユーザーが知ることはできません。
help.note.com
こういう、何の説明もなく、勝手にユーザーの利益を吸い取るようなことを行うところも信頼できないと私は思っています。見えないところで、他にも何かやっているのでは?という印象を受けます。
【2020/12/29追記】
利用規約を、再びよく読んでみたところ、非常にわかりにくい形ではありますが、記載がありました。いつ記載されたのかは不明です。しかし、上記のように、「ユーザーの指摘があるまでは、何の説明もなかった」事実は変わりません。なので、私の印象は変わりません。私は、何度もこの利用規約を読んでいるはずなのですが、今日初めて気づきました。あと、この利用規約、「第1版 2019年12月11日制定」とあるのですが、もっと前からあった気がするのですが…そこも気になります。(私の思い違いだったら申し訳ありません。)
noteクリエイター規約
6.デジタルコンテンツ
6.5 当社は、当社が定めた表示方式によるアフィリエイトリンクを表示するために、外部サービスのアフィリエイトIDが必要な場合において、クリエイターがアフィリエイトIDを設定していないときは、アフィリエイトリンクを表示するデジタルコンテンツに当社が保有するアフィリエイトIDを設定することができます。
note「ご利用規約」ページ https://note.com/terms のスクリーンショット。2019年末から、やたらこまめに改訂されている。
8・「ビュー」=PVではない。誤解を招くものになっていてセコイ問題
petitmatch.hatenablog.comまあこれはヘルプに書いてあることなのですが、結構周りでも「ビュー」=PVだと誤解している人がいたし、上記のAmazonアフェリエイトID問題もそうですが、なんかチマチマとセコく数字を作る方法をよく考えつくもんだなあと思います…
【2020/12/21追記】MAUも数え方が?
“※MAU:1ヶ月にnoteを訪問したアクティブブラウザ数”
↓一般的なMAUの数え方
makitani.net
「アクティブブラウザ数」って、具体的に何の数字のことなんでしょうか?
ユニークブラウザ数のこと?
「ビュー」もそうですが、noteは出す数字の定義が特殊なようです。
スマートフォン等のアプリでは、アプリ内ブラウザーでの表示の多くやWebViewでの表示は標準ブラウザーのCookieを引き継いでいない。そのため、一つのスマートフォンでも複数のCookieを保持、つまり複数ブラウザーを利用していることになり、同一人物による利用ブラウザー数は非常に多いと考えられる。
note株式会社の問題点については、以上です。
余談:先日のnote株式会社の社長の謝罪について
まず、この「お詫び」は、何に対する謝罪なのかが不明瞭です。
また、「いまの問題を引き起こしている」理由が、cakesは『プラットフォーム』だから『メディア』のようなチェック体制がありませんでした」という説明は、この「お詫び」が出る5日前の、加藤氏によるツイートの説明とは矛盾しています。
cakesは8年前に、ネット上に良質の編集が加わったメディアをつくるということではじまったサイトです。多様性を重視しつつ、それが大勢のひとに伝わる、編集力を生かしたメディアをつくれたらなと思って始めています。残念ながら、現在の状況はそれができているとはいえません。
— 加藤 貞顕 (@sadaaki) 2020年12月10日
また、こちらの記事でも、
「cakesは週150円・月500円で2万本近い記事が読み放題になるウェブメディアです。50社以上の出版社と提携してコンテンツを配信し、インターネット上で雑誌に代わる新しいメディアとなっています。」
明確にcakesは「メディア」と自らの口から説明しています。
そしてnoteの現状は、音楽ライターの柳樂さんが下記に書かれてるような状態なわけで、これで「cakesは『プラットフォーム』だから『メディア』のようなチェック体制がありませんでした」ということを、今、言うのは、ちょっと無責任がすぎるんじゃないかなと、私は思います。
個人がnoteに書いていたらcakesというメディアでライター・デビューできて原稿料を払われる人になれるのを売りにしてて、そこから提携している出版社にも繋げて出版の可能性もあることを売りにしているので、cakesはnoteに利用者を集めるための重要な機能であり、切り離せないのがこの問題の難しさです https://t.co/fjrcF85FCJ
— 柳樂光隆 《Jazz The New Chapter》 (@Elis_ragiNa) 2020年12月16日