TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

これからフリーランスになる人が知っておいたほうがいい支援情報5選

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0・はじめに

先日、昔からの飲み友達から、突然「今年からフリーランスWEBデザイナーとして開業する」というお知らせをもらいました。彼女はずっと別業種の正社員で働き続けていた人なので、かなりビックリしました。
私自身、フリーランスですが、正直なところ、あまりこの働き方は勧めません…
できればお勤めできる人なら、会社勤めしたほうがいいと思っています。
あと、開業するにしても、副業から始めたほうがいいと思っています。
特にWEBデザインやイラストの仕事は、副業でもできるものなので…
(副業可能な会社ならば…)

上記のようなことを、彼女にも伝えましたが、決意は固いようでした。
なので、副業から含めると、個人でイラストレーターとして仕事を取り始めて18年、今年で19年目である私の経験から、今、2022年1月の時点でフリーランスを始めるなら、これは知っておいたほうがいいんじゃないかな?
という情報を伝えました。
この記事は、その、友人に伝えた情報をまとめたものです。他にもそういう方がいるんじゃないかな?と思い、公開することにしました。
これからフリーランスになろうという勇気ある方に、お役にたてば幸いです。

1・JAGDA公益社団法人日本グラフィックデザイン協会)がまとめている「デザイナーのための支援制度」

support.jagda.or.jp

タイトルの通りで、いろいろな「デザイナーのための支援制度」をまとめたページです。
1・「新型コロナウイルス関連のサポート」
2・「クライアントに提案する」
3・「財務にかかわるサポート」
4・「お金をかりる」
5・「スタッフや職場の環境をよくする」
6・「地域をささえる」
7・「専門家に相談する」
8・「知的財産について知る」
の8つの項目があり、デザイナーに役立つ制度・相談窓口・補助金などのサポートなどについてまとめられています。

2・プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会【追記あり 2023/2/24】

www.freelance-jp.org
これは無料会員と一般会員(有料会員)で受けられるサービスが違います。
私は去年末までは無料会員で、最近、一般会員(有料会員)になりました。

無料会員になるメリット1・メルマガが届くようになる

フリーランス協会の無料会員になってメルマガを取っておくと、インボイス制度とか確定申告の無料説明会とかのお知らせをもらえるので、良いかもしれません。
私もたまに説明会に参加しています。ZOOMなどで全国から参加できる場合が多いです。
私は多少知識や経験があるので、説明を聞いて「これはちょっと違うのでは」と思うこともないこともないのですが、全く知識がなければ「そういうのがある」ことも知らないと思うので…情報収集には良いと思います。

無料会員になるメリット2・「フリーランスDB」に登録できる。仕事が来るかも

無料会員でも、「フリーランスDB」というデータベースに登録できます。

www.freelance-jp.org
登録しておくと、仕事の問い合わせが来るかもしれません。
私も去年から登録していますが、イラストレーター専門のデータベース(イラストレーションファイルWEBなど)から来る問い合わせとは違ったジャンル(イラスト以外の仕事で、私にとっては初めての依頼内容でした)の問い合わせが来ました。

有料会員になるメリット・賠償責任保険&報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」&福利厚生サービス「WELBOX」 が自動付帯する

フリーランス協会の有料会員になると、

・賠償責任保険
・報酬トラブル弁護士費用保険「フリーガル」
・福利厚生サービス「WELBOX」
の3つが、年会費内で自動的についてきます。

www.freelance-jp.org

これだけでも、結構お得なのではないかと思います。
他にもいろいろ、任意加入で、普通に入るよりもお得に入れる保険やサービスがあります。

【2023/2/24追記】フリーランス協会は説明が嘘ばかり、動きも不穏。入会の際には注意

私はフリーランス協会の有料会員になってちょうど1年経ちましたが、今年中に退会予定です。理由は、事務局にあまりに問題がありすぎるからです。
勝手に会員の意見を捻じ曲げ数字を盛り、会員を支持者のように装って政治活動を行っています。
↓詳しくは下記記事で

petitmatch.hatenablog.com

petitmatch.hatenablog.com

3・お住まいの自治体の起業・個人事業主向け支援制度

これは各自治体で、何かしらあると思うので、調べておいたほうがいいと思います。

私は、会社勤めを辞めたときは、東京都渋谷区に住んでいました。
渋谷税務署に青色申告の申請書を出しに行ったら、その場で青色申告会の確定申告講座を紹介されました。
弥生の使い方を教えてもらえて、テキストも無料でもらえました。

www.yayoi-kk.co.jp
結局私は、青色申告を自力でやるのは挫折したのですが(今は税理士さんに丸投げしています…)講座自体は渋谷らしく、フリーのアナウンサーの人とか、たぶんこの人アイドルの人なんだろうな〜という人たちが多く来ており、興味深い経験をしました。

ちなみに、いま私が住んでいる神戸市には、クリエイター向け情報と、神戸市にいるクリエイターをまとめて見ることができる、神戸市運営のクリエイターマッチングサイト「神戸クリエイターズノート」というものがあります。

kobecreatorsnote.com
これの「PROJECT」をチェックすると、神戸市がやっているクリエイター向けの支援策を知ることができます。

プロジェクト情報 | Kobe Creators Note|神戸クリエイターズノート

私は引っ越してきてすぐ、どうやって神戸で仕事すればいいのか、よくわからなかったので、神戸クリエイターズノートに登録して、「CROSS」にZOOMで参加しました。

tomokooosuki | Kobe Creators Note|神戸クリエイターズノート

CROSSは、神戸で活動するデザイナーや編集者など様々なクリエイターと企業が出会い、様々な実験的取り組みが生まれる「場」です。

クリエイティブとビジネスが交差するトークイベント CROSS | プロジェクトカテゴリ | Kobe Creators Note|神戸クリエイターズノート

ちなみにクリエイター向け施策は、鹿児島市もやっているみたいです。

www.city.kagoshima.lg.jp

鹿児島市では、クリエイター向け移住支援もやっています

kagoshima-creativelife.jp
WEBデザイナーさんだと、クリエイター向けだけではなく、IT系の施策とかも利用できるかもしれないので、そういうのもチェックしてみたほうがいいと思います。
都道府県・市町村・区が、バラバラにそれぞれやっていたりするので、全部チェックしたほうがいいと思います。

web.pref.hyogo.lg.jp

また、イラストレーターやデザイナーは、仕事の内容やビジネスモデルの違いや、さらには自治体によって扱いが違ったりするので、個人事業主向けのものだけでなく、文化事業・芸術家向けの施策や補助金も対象になったりもする場合もあるようです。

特にイラストレーターは作家活動(クライアントワークではなく、作品自体を直接販売する仕事)もしてる方も多いと思います(私も写真に関しては完全に「作家」として活動しています)。自分がやりたいことに対して、使えそうなものは、何でも問い合わせてみて、何でも利用したほうがいいと、私は考えます。

4・下請かけこみ寺

www.zenkyo.or.jpここは、困った事があったときに相談するところです。無料です。
文字通りで、下請事業者のかけこみ寺です。
中小企業庁の委託事業で、公益財団法人全国中小企業振興機関協会が行っているというものです。
フリーランスになるのでしたら、下請法も勉強したほうがいいです。

www.chusho.meti.go.jpイラストレーション制作、WEBデザインの仕事は「情報成果物製造委託」にあたります。
「コンテンツ取引と下請法」というパンフレットがありますので、これを読んでおいたほうがいいと思います。

www.jftc.go.jp*ちなみに下請法は、中小企業庁公正取引委員会の両方で取り締まりを行っています。
下請法の対象企業が中小企業の場合には中小企業庁、大企業の場合には公正取引委員会が担当します。

相談したら具体的にどうなるのか、どういう人が電話に出るのか
などの詳しいことは、過去に下記の記事に書きましたので、よろしければお読みください。

petitmatch.hatenablog.com

5・フリーランス・トラブル110番

freelance110.jpこれも、困った事があったときに相談するところです。これも無料です。
「下請かけこみ寺」との違いは、下請法の対象となること以外のことでも、フリーランスの仕事に関することなら、何でも相談できるというところです。
また、相談を受ける相談員が「弁護士」です。(下請かけこみ寺の相談員は、弁護士ではなくて「下請取引について、知識や経験が豊富な人」です。)

フリーランス・トラブル110番は、2020年に始まった制度です。
下請かけこみ寺は、2008年からあります。

https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/sonota/shitauke_kakekom.pdf そういうこともあり、私は、下請かけこみ寺には、今までに何度も相談したことがあるのですが、フリーランス・トラブル110番に相談したのは1回だけしかありません。

両方に相談したことがある経験から言うと、フリーランス・トラブル110番はかなり混雑しており、電話相談は予約制で、予約が取れるのが数日後なので、すぐには相談できません。
メールで相談しても、返事が来るのは2〜3営業日後になります。

あと、これは私が当たった人があまり良くなかったのかもしれませんが、あまり著作物利用許諾契約(イラストの仕事の基本的な契約形態)には詳しくないのかな、という印象でした。下請かけこみ寺の相談員さんのほうが、「実際の」取引実態には詳しいのかなという印象でした。

しかし、なんだかんだ言って弁護士なので、法律的にどうなのか、という点で、セカンドオピニオンを聞いてみるのは良いんじゃないかなと思います。無料ですし…
あと、仕事内容と直接関係ないところでの被害、セクハラ等のハラスメントについてもまとめて相談できるのも、良いところだと思います。「セクハラと合わせ技の金銭トラブル(不払い)」の場合など、かなり良いと思います。
*ちなみに、フリーランスのセクハラ被害の相談先は「ろうどう110番」&厚生労働省です。相談相手が弁護士じゃなくて良い場合はこちらでも…↓

petitmatch.hatenablog.com

なので、実際トラブルにあったら、とりあえずフリーランストラブル110番にメールで相談内容をメールして、その返事を待っている間に、下請かけこみ寺に電話するというのがいいと思います。
かなり急ぎの場合は、即、下請かけこみ寺に電話したほうが早いと思います。

フリーランス・トラブル110番についても、以前ブログに詳しく書きました。

petitmatch.hatenablog.com

petitmatch.hatenablog.com

がんばろう!!

上記で紹介したものは、私が仕事をはじめたときには、全て存在しませんでした。
個人事業主をめぐる環境には、悪くなったものもありますが(消費税まわりとか…)、良くなっているものも、確実にあると、私は感じています。
常に自己を研鑽し、情報収集を怠らず、環境の変化にも適応し、強かにたくましく生き残って行きましょう!!

【2022/5/19追記】仕事を受けるときには確認書を作ろう!!

昨日のNHKクローズアップ現代」でフリーランスの話をやってたみたいですが
仕事受ける前に、最低限の確認書(契約書)作っておいたほうがいいですよ。

petitmatch.hatenablog.com

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