- 今年1月〜3月まであった、文化庁の相談窓口が今年度も開設!
- 報酬トラブル、ハラスメント、フリーランス新法・インボイス制度のことも相談できる!【2023/9/18追記】
- 実際の担当弁護士は?公開情報から調べてみた【2023/9/3追記】
- 「フリーランス・トラブル110番」との違いは?
- 昨年度、実際に相談してみた感想と、今年度への期待
- 2023年度、実際に相談してみた感想
- 関連記事
今年1月〜3月まであった、文化庁の相談窓口が今年度も開設!
今年1月〜3月まであった、文化庁「文化芸術分野の契約等に関する相談窓口」が、名前を変えて「文化芸術活動に関する法律相談窓口」として今年度も開設されるようです。今年は、9/1の14:00オープンということです。
実際に相談窓口を実施するのは、弁護士知財ネット。知的財産権(著作権とか)に詳しい弁護士のネットワーク組織です。
文化庁ホームページ内に設置する相談受付フォームにてご相談を受け付け、原則として10日以内(土・日・祝日等を除く)に電子メールにて回答します。内容に応じて電話又はオンラインによる対応(原則として30分程度)も行います。
https://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/93934001.html
ということなので、急ぎの相談には向いてないかもしれませんが…
「よくある質問」も既に用意されています。
報酬トラブル、ハラスメント、フリーランス新法・インボイス制度のことも相談できる!【2023/9/18追記】
今日気づいたんですが、昨年と比較して、相談できる内容の種類が増えていました。
・報酬トラブル(不払いや支払遅延、一方的な減額等)について
・安全・衛生問題(就業環境や事故・ハラスメント等)について
・フリーランス新法やインボイス制度について
など、昨年度は「フリーランス・トラブル110番」に誘導されていた内容でも相談できるようです。
また、フリーランス新法やインボイス制度についても相談できるようです。
フリーランス新法って、まだ詳細決まっていないと思うんですが…どういうことなんだ?インボイス制度について相談できるのは良いと思います。が、果たして弁護士知財ネットの弁護士に相談すべき内容なのか?という懸念は残ります…
いずれも無料なので、フリーランス・トラブル110番と同時に同じ内容を相談してみるのが良いんじゃないかと思います。フリーランス・トラブル110番については後述します。
実際の担当弁護士は?公開情報から調べてみた【2023/9/3追記】
この窓口で実際に担当する弁護士は、公表されておりませんが、公開情報から調べたところによると、下記のメンバーが現在判明しています。
吉峯裕毅弁護士
www3.nhk.or.jp相談にあたった吉峯裕毅弁護士は「契約を交わしていないのに仕事が始まってしまったり、費用が支払われないトラブルも起きている。気軽に相談してほしい」と話していました。
専門分野・経歴・実績等
知的財産教育協会 認定知的財産アナリスト、東京弁護士会中小企業法律支援センター委員、弁護士知財ネット ジャパンコンテンツチーム事務局、文化庁 海賊版による著作権侵害相談窓口 担当弁護士
木村剛大弁護士
今年も文化庁で『文化芸術分野の契約等に関する相談窓口事業』が実施されます。私もメンバーとして引き続き担当します。ぜひご活用を‼️ https://t.co/t6ZXyPDPXu
— 木村剛大 / Art Law (@KimuraKodai) 2023年8月30日
木村弁護士は「クリエイターのための権利の本」の監修弁護士です。
「フリーランス・トラブル110番」との違いは?
上記の「よくある質問」の一番最後にも書いてあったのですが、これは「文化庁のガイドラインに関することや契約に関係して生じる問題及びトラブルに関する内容」に特化した窓口で、パワハラ・セクハラに関しては、「フリーランス・トラブル110番」に相談せよということみたいです。
-
- Q.6-① 私はフリーランスとして文化芸術分野に関わる仕事をしています。契約のこと以外でも相談を受けてくれる窓口はありませんか。
ちなみに…「フリーランス・トラブル110番」に対する個人的印象
フリーランス・トラブル110番には、2年ほど前に私も相談したことがあり、こちらでも契約の相談には乗ってもらえます。
ですが、正直なところ、著作物使用許諾契約(イラストの仕事で一般的な契約)には、全く詳しくないという印象を受けました。
というか、まず、それ以前の問題で、物の考え方が完全に「企業寄り」で、「味方になってくれる感」が非常に薄いです。この「味方になってくれる感のなさ」は、私だけの印象ではなく、他の複数の相談者から聞いたことがあります。
Twitterで検索すると割と「助かった」みたいな良い感想も書いてあるので、その時の担当者によるのかもしれませんが…
↓は私が相談したときの感想です。「フリーランス・トラブル110番」ってなんか私が相談した限りでは他の相談の依頼側のレベル感が低すぎるのか、件数が多いから雑になっちゃうのか、よくわからないけど、かなり悪い条件を「ふつう」と思って相談受けてんじゃないかな〜という印象を受けたなあ…
— オオスキ トモコ (@cafe_petit) 2022年2月19日他の相談窓口に相談すると「フリーランス・トラブル110番が言ってることはおかしい」と複数の窓口の相談員さんから言われたことがありました。なので相談するときは複数の相談窓口に同時に相談したほうが良いのでは と個人的には思っています。
— オオスキ トモコ (@cafe_petit) 2022年2月19日
っていうブログ書こうかな…
フリーランス・トラブル110番と同時に、下記の窓口に同じ相談を送るようにしています。 -
経験上では、他の相談窓口にも同時相談したほうがいいと思う
下請かけこみ寺
-
著作権情報センター
www.cric.or.jp
・日本漫画家協会(協会員しか相談できません)
同じ内容の相談に対し、フリーランス・トラブル110番だけ回答の方向性が全く違っていたり、(私もおかしいと感じました)他の窓口で「フリーランス・トラブル110番でこういう回答だったが本当か」と確認すると「それはおかしい、考え方が企業寄りすぎ、オオスキさんをあまりに馬鹿にしすぎている」という回答がされた という経験があります。なので、文化庁にも窓口があることは、非常に良いことだと思います。
文化庁のこの窓口は、今年の12月末日までということなので、期間が短いです。
私も、契約で、「お金払ってまで聞くほどのことでもないし、自分でなんとかできなくもないが、弁護士の見解も聞いてみたい」くらいの疑問はたくさんあるので、せっかくなので、12月末までにいろいろ相談してみたいと思います。
個人的にはこういう窓口は、「国に意見をいう」「国にこういう問題がある」と伝えるという点で重要であると思います。仮に相談内容が解決しなくても…昨年度、実際に相談してみた感想と、今年度への期待
この相談窓口は、昨年度(今年1〜3月)にも開設されていました。(「文化芸術分野の契約等に関する相談窓口」)
先日、内閣官房で行われた、適格請求書等保存方式の円滑な導入等に係る関係府省庁会議 第三回の資料によれば、相談件数は80件だったようです。
- 私は、期間中に、11件相談していました。1割以上、私が質問していたとは…
そのうち9割の回答は、かなりためになりました。
1割(1件)は、「えっこの人、こんな『出版業界ではこれが常識です!』みたいな回答してきてるけど、本当に出版業界での『実務』の経験があるのかなあ…」と思うレベルの「大ウソ」が回答として返ってきたため、アンケートで反論しておきました。
この分野は、契約書を交わす習慣自体があまりないため、弁護士自体にも、「その著作物の性質に合わせた」契約書を作ることの経験がない人が多いのかな?と感じました。
あとは、「文化庁の」事業としてやってる割に、「クライアント寄り」の考え方をする弁護士が多いことが気になりました。実際に「文化芸術分野の人と接した経験・契約の話をした経験」自体が、あんまりないのかな?という印象を強く受けました。 - アンケートにそれを書いたおかげか、今年は東京芸大の「藝祭」で出張相談会をすることにしたようです。改善しようという意志を感じます!!
5.特別企画「藝祭」における出張相談会の実施について
本年度は、文化芸術分野で活動される方等が多数集まることが見込まれる東京藝術大学の文化祭「藝祭」にて、特別企画として出張相談会を実施いたします。
- 主催:
- 文化庁
- 協力:
- 東京藝術大学アートキャリア・オフィス
- 実施期間:
- 令和5年9月1日(金)~9月3日(日)
- 相談窓口は各日10時から16時の時間帯で開設し、毎時0分~25分、30分~55分の時間帯(枠)でご相談に対応します。
- 対象者:
- どなたでも(学校関係者か否かは問いません)
- ただし、相談内容は文化芸術活動に関する内容に限らせていただきます。
- 実施方法:
- ①各日9時45分から当日の時間帯(枠)について受付を行います。
- ②ご相談を希望される方は、会場にて希望する時間帯(枠)にご記帳いただき、受付票をお受け取りください。
- ③指定の時間にご来場の上、受付票と引き換えで相談窓口をご利用いただけます。
- ※ご利用については各日1人(1グループ)1枠までとさせていただきます。
- 開設場所:
- 大学本部棟1階学生課(東京都台東区上野公園12-8)
- ※下記構内図参照
なので、この窓口で、「これはおかしいのでは…」という回答が返ってきたら、アンケートで、正直な感想をガンガン送るのが良いと思います。
または、文化庁の担当部署に「おかしいと思う」ということを伝えると良いと思います。 - 「文化芸術分野の契約等に関する相談窓口」の担当部署は、
文化庁文化経済・国際課文化芸術活動基盤強化室
kibankyoka@mext.go.jp
です。
フリーランストラブル110番も、できたばかりのときに相談をして、かなり印象が悪かったのですが、先日2年ぶりに試しに質問をしてみたら、かなり対応が改善していました。(契約書についての質問でしたが、著作権以外の部分についての質問だったからかもしれません。あるいは2年間の間に、ノウハウが蓄積されたのか?)
こちらも違和感を感じたら、厚生労働省の担当部署に意見を送ると良いと思います。
フリーランス・トラブル110番についての問い合わせ先は
厚生労働省 雇用環境・均等局 在宅労働課フリーランス就業環境整備室 03-5253-1111(代表)→(内線4509、7850 )
↓こちらのフォームからでも
-
「文化芸術分野の契約等に関する相談窓口」昨年度の私の感想はこちら
2023年度、実際に相談してみた感想
相談回数は、文化庁のほうでカウントされていることが判明【2023/9/19】
いまのところ、4件相談して、1件の回答が来ているところです。
そんな中、文化庁から「あなたからの相談はこれで4回目です。
相談窓口の利用回数については、注意事項にも3回程度を目安と書いてあるやろ。
今回までの相談は対応するけど、これで最後ね」的な内容のメールが届きました。質問を送りすぎて、申し訳ございません。
私は他にも相談するところがあるので、今後はそちらに相談したいと思います。
しかし、1人あたりの相談件数って、ちゃんとカウントされてるんですね。全4件の相談の感想【2023/9/30】
今年は昨年度とは違い、「これはないだろ…」と思うレベルの「大ウソ」の回答はありませんでした。全体に昨年度より、だいぶ改善されているなと感じました。
問題点の指摘は大切ですね!
しかし、下記のツイートを見て、担当弁護士によって、回答の質にムラがあるのかな?とは感じました。自作イラストの機械学習への利用料を設定した上、第三者が無断で機械学習へイラストを利用した場合は著作権法30条の4に抵触するか、と聞いたら個別具体の事案には回答しかねると回答頂いた。楽な仕事だな文化庁。
— 梶原まんが@Live2Dモデル作ります (@kajiwaramanga) 2023年9月22日
出演料が支払われない、は個別具体の事案じゃねーのかよ。私はかなり個別具体的事例について相談して、回答を受けているので…
ちょっと気になりました。開設期間が延長になるもよう【2023/11/22追記】
文化庁の文化審議会著作権分科会法制度小委員会(第4回)の資料
— 北海のタコ (@ogawa0117) 2023年11月21日
令和5年度補正予算関係資料(クリエイター等の活動基盤強化(相談窓口対応等による支援))https://t.co/QToLf5x9ZB
現状·課題… pic.twitter.com/ScN6ll78aSwww.bunka.go.jpこちらの資料によれば、「体制強化により、令和6年1月以降も切れ目なく相談対応を実施」とあります。
「令和6年1月以降も切れ目なく」というのは令和6年1月〜3月まで切れ目なく(令和5年度中は切れ目なく)なのか、更にその後も切れ目なくなのか?という謎は残りますが、少なくとも今年分の確定申告期間中(消費税の確定申告期間中、つまり2024/3/31まで)は相談窓口はないといけないんじゃないかな…という気はいたします。
わかり次第、また追記します。2024年4月以降も窓口は続くもよう 相談内容に「AIと著作権について」という項目が追記【2024/3/26追記】
🌸文化芸術活動に関する法律相談窓口🌸
— ぶんかる【文化庁公式】 (@prmag_bunka) 2024年3月22日
4月以降も窓口を開設し #文化芸術活動 で生じる疑問やお困りごとのご相談に弁護士が対応❗ #実演家 #舞台スタッフ #クリエイター など要チェック✅
画像も参考に相談されたい内容をご入力ください。https://t.co/TNrlXrzL2H pic.twitter.com/789DenRvou相談回数が「年度あたり5回程度を目安」に増加【2024/4/2追記】
さっき、文化庁の相談窓口を見てみたら、相談回数が「年度あたり5回程度を目安とさせていただきます」となっていました。