TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

June 21, 2022

昨年の東京オリンピックの記録映画、「東京2020オリンピックSIDE:A 」を見ました。

わたくし不勉強にして、河瀬直美の映画を見るのは、これが初めてでした。
映像がめちゃ美しいんですね…というか「外国人が好きそうな、美しい日本の絵面」を作るのが、ムチャクチャうまい。和風かつ耽美。そりゃカンヌも取れるわな…

映画全体としては、
なんか令和の映画だなあ…
という印象を受けた。

だいぶ前(2013年)ですが、私は東京国立近代美術館で、市川崑による1964年の東京オリンピックの記録映画を見ている。

東京オリンピック1964 デザインプロジェクト | レポート | アイエム[インターネットミュージアムhttps://www.museum.or.jp/report/248

↑この展示でかかってたやつだから、ダイジェスト版かもだけど…

なのでやはりどうしても市川崑の「東京オリンピック」との比較になってしまうのですが、「オリンピックの裏側」というときの意味合いが違うというか。

市川崑の「東京オリンピック」における「オリンピックの裏側」は「オリンピックを成立させるためにアスリート以外で働く人々」とか「オリンピックを成立させるためのロジスティクス(物的過程)」で、基本的に人を描く単位は「集団」(組織・会社・国・チーム)だったような気がするのですが、
今回の記録映画は「個人」に焦点があたっている。個人エピソードの積み重ねで話が構成されている。
でもその個人であるとか個々のアスリートも「背負う業界(?)」があったりするのだよね…
なんかそういう構成も、今風だなと思いました。

藤井風の音楽がかなり良かったけども、しかしside:Bは降板したみたいですね
一体何が…

あと柔道の話でよくわからないところがあって、全日本柔道連盟科学研究部の石井孝法さんが「分析して分析して、あとはアートなんで。」と言うシーンがあったのですが、柔道における「アート」って、どういう意味あいの言葉なんだろう。そこがすごく気になりました。
私はスポーツと美術ってわりと近いものがあると思っているので…身体パフォーマンスであるという点もそうだし、なんか「独特の狭い世界」っていうのもそうだと思っています。写真家の関健作さんの「2:16.22 -その記録の向こう側-」という、「陸上選手の苦悩」みたいなのをテーマにした展示を見たときに、それを確信した。たぶん共通する悩みとか、問題点があると思いました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000013110.html
デッサンは走り込み、クロッキーは筋トレです。私は両方苦手ですけど…

side:Bが今週末からはじまります。
東京オリンピック2017 都営霞ヶ丘アパート」も見たいが、神戸では上映がないみたい。いまこそやってほしい