TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

1968年から50年 渡辺眸さんの写真展「ー東大全共闘1968-1969ー」を見てきた

渡辺眸さんの写真展「ー東大全共闘1968-1969ー」に行ってきました。

渡辺眸さんは、1968年の東大全共闘の闘争の写真を、学生と行動をともにして、「内部から」撮影した唯一のカメラマンです。
私も学生の頃、2001年に、東大駒場寮の写真を撮影していました。
その写真をまとめて、自主的に写真集をちょこちょこと作って売っているので、そんな私にとって、渡辺眸さんのこの写真展、及び写真集は、とても参考になった。

私は渡辺さんが女性であること、そして東大生ではなく、運動の当事者ではないのに、東大に入り浸って写真を撮っていたこと、
そして何より、渡辺眸さんの「偶然巻き込まれちゃった感」に、勝手に強いシンパシーを感じています。
渡辺さんが東大全共闘の写真を撮り始めたきっかけは、「友達の夫が山本義隆(東大全共闘の代表者)だったから」なのである。山本義隆氏を見て、なんか雰囲気ある人だな、と思って、最初は山本義隆氏のポートレートを撮りたいな、と思って撮影をはじめたらしい。

私も中学の同級生を訪ねて行って、偶然駒場寮を見たのがきっかけで、駒場寮の写真を撮り始めました。
私は、最初は建築的興味(カッコいい建物だな、と思っていた)から駒場寮に関心を持って撮影をしていました。
が、建物や学生の部屋を撮影しているうちに、いわゆる学生運動駒場寮廃寮反対運動)の存在を知り
「これも『生活』の一部だから、撮影しないわけにいかない」と思って、運動部分も撮影をしました。

しかしその後、「外部の人間である自分が、この撮った写真をその後どうしたものか…」
と取扱いに悩み、撮った写真は、10年くらい寝かせていた。

私は、結果として学生側の視点で写真を撮ったことになるわけですが
実感としては、当事者ではなく、傍から眺めていただけなので…
↓そのへんのモヤモヤについて詳しくは、過去のブログを読んでくれ
https://petitmatch.exblog.jp/tags/%E9%A7%92%E5%A0%B4%E5%AF%AE/

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その後なんだかんだいろいろあり、私の写真は
「されどわれらが日々」(文春文庫)

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

新装版 されどわれらが日々 (文春文庫)

  • 作者:柴田 翔
  • 発売日: 2007/11/09
  • メディア: 文庫
 

 
「東大駒場寮物語」(KADOKAWA

東大駒場寮物語

東大駒場寮物語

  • 作者:松本博文
  • 発売日: 2015/12/09
  • メディア: 単行本
 

等で使われるようになる。

ちなみに、「東大全共闘1968-1969」は
最初の三一書房版(「東大全共闘—われわれにとって東大闘争とは何か (1969年)」)

 
2007年新潮社版

東大全共闘1968‐1969

東大全共闘1968‐1969

 

 が既に出ているのですが、いずれも絶版になっているので、
いま、普通に買えるのは、この角川ソフィア文庫版しかありません。
みんな買おう。いままでの本に載っていない写真も載っている。

私もいま駒場寮の写真集をまた作ろうと思って、どういう編集にしようか考えてたとこだったので、とても勉強になりました。

フォトドキュメント東大全共闘1968‐1969 (角川ソフィア文庫)

 

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渡辺眸 角川文庫版出版記念 
ー東大全共闘1968-1969ー
http://www.gallerykogure.com/tokyo_exhibitios.html

■会期
2018年4月25日(水)- 4月27日(金)
2018年5月7日(月)- 5月18日(金)

■時間
12:00-18:00

土日 休廊

■会場
GALLERY KOGURE
http://www.gallerykogure.com/ACCESS.html
地下鉄 神保町駅 A4出口より徒歩1分