柳本浩市さんが亡くなったそうだ。
柳本さんは、世界的にも著名なスーパーコレクターで、マッチだけでなく幅広くいろんなモノを集めていた方です。
コレクターというか「コレクションから見えてくるものを、社会の問題解決に役立てる」ということを、仕事にされていた方です。
＊参考↓
私は柳本さんとは２回しかお話したことがないので
FBで何かコメントしたりとか、
追悼ブログとか書くのもおこがましいなあ
心のなかで追悼しよう…
と思っていたのですが、草彅洋平さんのこのブログを読んで、
柳本浩市さんのこと - トークのイチロー就活日誌
http://kusanagi.blog.houyhnhnm.jp/entry/2016/03/07/182704
「いや、ナマ柳本さんと遭遇した経験がある人間として、
柳本さんのことを書き記しておくべきじゃないのか、
そして、柳本伝説を後世に伝えるべき」
と思い直したので、書くことにします。
私は、柳本さんとは２回くらいしか
実際にお会いしてお話したことはないのだが、
２回ともマッチの話をしたので、よく覚えている。
私は大学のときデザインを勉強していたので、最初に柳本さんの名前というか柳本さんのコレクションを見たのは、ブルータスやTitle（Penだったかな）のデザイン特集だったと思う。
あとで、柳本浩市さんという人がいて、こういうコレクションは柳本さんのものだと知ったのだ。（何で知ったかは覚えていない）
まあとにかく見るもの、見るもの、柳本コレクションがどこかにあった状態であった。（たぶんグラフィックデザイン勉強してる人は、だいたい柳本コレクションに接してると思う。ディック・ブルーナコレクションもあるし…）
実際にお会いしたのはいつだったか忘れたけど、東日本大震災の前後だった気がする。
柳本さんに初めて会ったとき、
「私もマッチを収集しているんです。」
と伝えたら、
「オオスキさんが集めていらっしゃるマッチは、『げんこう』ですか？」
と聞かれた。
私はそのとき「げんこう」の意味がわからなかったので、
「げんこう ってなんですか？」と聞いたら
「今、現在流通しているもの、現行品ということです」
と言われ、ようやく「今のものって『現行』っていうんだ。」と理解した。
「はい、今、主に飲食店で使われているマッチを収集しています。」
と答えたら、
「じゃあ、オオスキさんは、現行の飲食店マッチのコレクターなんですね。」と言われ、私はそのとき初めて、
それ以外のマッチのコレクターがいる、ということを意識した。
そう言われてみれば、一口に「マッチ集めが趣味」といっても、明治大正のを集める人とか、チェコのマッチラベル集めてる人とか、いろんなテーマを持って集めてる人がいる。
私は漠然と、目の前にあるマッチを集めていただけだったのだ。
そこで「柳本さんは、どういったマッチを収集されているんですか？」と聞いてみたら、柳本さんは
「すべてです。ホテルや飲食店に行ったら、
目に見える持ち帰れるものは、全部持ち帰っています。」と答えた。
そして、私が持っている、マッチの形をしたマッチラベルの本も
http://www.assiston.co.jp/1787
web.archive.org
柳本さんが出されたものであるということを知った。
柳本さんは小さい頃からスーパーコレクターで、頭もよかったので、
小学校１年生くらいのときに既に「このままじゃ変なやつで終わっちゃう、
この趣味を社会に活かしていかないと」という考えがあったらしい。
その小学校１年生からの模索の結果が、現在の仕事
「コレクションから見えてくるものを、社会の問題解決に役立てること」
であるということだった。
私はそれを聞いて、「趣味をもとに、社会の問題解決ってできるんだ！？」
と衝撃を受けた。
確かに柳本さんがよく言われていたように、何かをたくさん集めていると、
見えてくる「何か」がある。
しかし私は、その「何か」をどう社会に結びつければいいのか、
未だにわからない…
しかし、それから、「私も『趣味性を活かした社会貢献』がしたいなあ。」
と考えるようになった。
未だにできていないし、どうすればいいのかも、まだモヤモヤしているけど…
なんとかします
過去に私がブログに書いた柳本さん関連記事、良かったら読んでみてください
柳本コレクションの放出物、1960年代の家電メーカー？のマッチラベル
http://petitmatch.exblog.jp/16425254/
「私も、何か、趣味性を生かして、社会貢献をしたい」と思った時のブログ
http://petitmatch.exblog.jp/16582616/
schoo WEB-campus「アーカイブ個人編集論」柳本浩市先生
http://petitmatch.exblog.jp/17445374/
ご冥福をお祈りいたします。
