TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

February 9, 2023

知り合いの本シリーズ(?)
#学校するからだ 読んだ。著者は、中高一貫校の現役教員かつ、文芸・音楽批評家の矢野利裕くんです。
私は矢野くんが大学院生のときに知りあった。矢野くんは当時、学生DJで、自分が生まれる前の音楽とかにも異様に詳しいので、「タイムトラベラー」と言われていた…

なんか不思議な本である。学校ノンフィクションというか教員エッセイというか…
しかし、間違いなく今の矢野くんにしか書けない本である。
「学校内での人間同士の身体性かかわり」をテーマにした本である。

矢野くんはこの本の中で「教員の芸人性」と表現していたが、教室の舞台性・演劇性というか、教員には明確にタレント力みたいなものが存在するなあというのは、私もすごくわかる。学校の「グルーヴ感」的なものも凄いわかるな〜と思った。
あとアイヌの話と沖縄の修学旅行の話も面白かった。なんか学校って、こんなに語れるネタがある場所だったんですね。『海や山の神様たち』は矢野くんと一緒に聞いたことがある気がしますね。
私も学校関係の仕事をやってるので、感覚的にわかる〜と思う部分が多かったです。

なんか前回と同じ感想になってしまいますが、学校の先生、しかもサッカー部の顧問までやりながら文芸・音楽批評をやり、本も出すって、どんだけ体力あるんじゃあ〜!!
と思った…
しかし、私も頑張らなければ…
と思える本でした。
わからないものに対し簡単にわかった気にならず、しかし勉強したり考えたりしながら、もがきながら生きていこう…それしかない
って、ひらりささんの本と全く感想の結論が同じやんけ!!

写真はジャズ喫茶ヴォイスで撮りました。

February 9, 2023


【長いです】ひらりささんの #それでも女をやっていく
読んだ。衝撃を受けた…
こんなに書いていいんかい?
ひらりささんは、知ってる人なので…ますますの衝撃が…

ひらりささんとは、たぶん実際に会ったことあるのは1回だけ?だけど、共通の知り合いが多いこともあり、他の人から、ひらりささんの話を聞くことがちょくちょくあった。ひらりささんが、私のことを覚えているかはわからないけれど…書くものも面白いし、頭いいんだなぁ〜と思うことが多かった。(頭わるい感想)
この本はひらりささん2冊目の単著で、ひらりささん自身のことを書いたものとしては、初めての本である。

私には全く「女をやる」みたいな意識がないので、その感覚がまずへえ〜!と思った。
私は女性ではあるけれども、それ以前に「私」と思ってるので…てか「何か」を「やっている」意識自体があまりないかも…
単に生きてるだけで…コジコジコジコジだよ、みたいな感覚に近いと思う。

あと、私も高校の頃、理系物理クラスだったので、男子36名女子6名という、ほぼ男子校状態のクラスにいたのだが(2年間)、ひらりささんが感じたような不快感を感じた記憶がないのだよね…これは単純に私が共学慣れというか、男子慣れしてるから下ネタ的なものがあんま気にならなかったのか、いい男子環境(?)に恵まれたからなのか、もはや記憶がない…私も鈍感で、ひらりささんのような人を傷つけていても気づかなかっただけなのかも、とも思った。

私は小さい時はどっちかというと男の子的な遊びを好んでおり、完全にコロコロコミックに洗脳された生活を送っていた。当時のコロコロは黒川編集長時代のホビー路線、つまりゲーム&ミニ四駆である。この辺の話は、以前「タミヤニュース」のインタビューでも話したことがありますが…でも男の子も普通に遊んでくれてたんだよね…(やはり単に男子環境が良かったのか?)

しかし、その一方で私も「りぼん」読者であり、BL(昔は「やおい」と言っていた…)も読んでいました。でも、ひらりささんのような感覚で読んでいたわけではない。ひらりささんのように、自分の女性性からの逃避的目的でBLを読む人がいるという話は確か中島梓だったかな?の本でかなり昔に読んだことがあります。

とか、ひらりささんの赤裸々エピソードと、自分の過去エピソードを比較しながら読みました。

が、最後まで読んで思ったことは…
ひらりささんは、かなりプライベートでいろいろやらかしてるんだけど、しかし、ひらりささんは会社員やりながらライターもしてて、同人誌も作り、さらに商業で本を出したりしてる上に、プライベートであんまり良くない男に振り回されたり、友達に依存しすぎて切られたりしてるのだ。
どんだけエネルギーあんねん。てかいつ寝てるんだ⁈依存するにも、何かと時間がかかるよね?
もともとの体力が全然違うんだなぁと思いました…

しかし、私も頑張らなければ…
と思える本でした。もがきながら生きていこう

これは読んだ人と語り合いたい本ですね。

 

January 19, 2023

【長いです・最近読んだ本】『調べる技術』
この本は、元・国立国会図書館のリファレンス担当者が書いた、「調べる技術」の本である。
最近、私は「ものの調べ方」を知らないんじゃあ…
と思うことが続いたので、買ってみました。

と言いますのは…

少し前に、読みたいけど手に入らない専門誌(具体的に言うと、著作権情報センターが出してる月刊著作権専門情報誌「コピライト」のバックナンバー)で読みたい記事があって、どうにかして読めないものかと思って、Twitterでつぶやいた。
そしたら、Twitterでつながってる編集者さんが
「それは、国会図書館オンラインで遠隔複写を申しこんで、コピーしてもらって読めばいいんですよ」
と教えてくれた。
その人は、出版社で雑誌編集者として働きながら、同時に大学院に行ってたという、知力&体力を兼ね備えたインテリ超人なので、わ〜すごい!さすが〇〇さん!よく知ってる!👀✨とか思っていた。その時は…
*私は国会図書館の利用登録は東京にいるときにしていたので、国会図書館の利用者カードは持っていました。

あと、最近よくやり取りをしてる、某大学の先生が、「オオスキさんはこの本を読んだらいいんじゃないですか。絶版なので図書館などでどうぞ」と、本を紹介してくれた。そこで、国会図書館オンラインで書誌データを調べ(上記の件で、国会図書館オンラインの使い方を覚えました)、プリントアウトして神戸の三宮図書館に行って聞いてみたら、どうにか読めそうだということがわかった。その時も、わ〜大学の先生はよく知ってる、さすが😊
くらいに思っていた。

しかし、先日放送された、「プロフェッショナル仕事の流儀」校正者・大西寿男さんの回を見て、大西さんが芦屋在住で、うちからも遠くない、神戸市中央図書館で調べ物をしてたシーンを見て、ガーンってなった。😨
私は、この3年間、コロナだから、神戸だから仕方ないとか思って、全力で仕事をしていなかったんじゃないかって…😨💦
それと、大西さんの姿を見てて、上記2例をふと思い出し…
私は、「調べる技術」について、そもそも知らないのではないか?と思い始め…😨💦
*この回は、NHKプラスで1/20(金) 午後10:44 まで見れますよ

確かに上記2名はインテリ超人(2名とも博士課程卒)なんだけど、私はだいぶ無知な上に、さらに「ものの調べ方」を、そもそも知らないのでは と思い始め…😨💦
そんなわけで、買ってみました。
そもそも話題の書ですよね、これ。昨年の12月9日刊行なのに、なんと既に4刷らしい。

読んだけど、なんか凄すぎて、まだ何も調べてないのに圧倒されてしまった…
なんというか、知識の世界のあまりの深淵さに…
でも、なんか、心強い味方を得たぞ!と思った。
頑張るぞ😤💪✨

#調べる技術
#小林昌樹

January 16, 2023

【最近読んだ本】『フードライターになろう』読みました。
取材を具体的にどうやってるのかを知りたかったので…
それと、フードアクティビストの松浦達也さんが載ってたので。
松浦さんは、私に初めてイラストの仕事を依頼してくれた編集者さんなのです。

フードライターの仕事のしかたや、書く以外の仕事について書いてある本ですが、
これは何かしらの「取材して書く仕事」をしている人には、食分野以外の方にも役立つ本ではないでしょうか?
私はイラストレーターですが、たまに取材して描く仕事もあるし、分野もかぶっているので、ものすごく勉強になりました。

#フードライターになろう
#浅野陽子

January 11, 2023

『ギャラリーストーカー 美術業界を蝕む女性差別と性被害』
読みました。ジュンク堂で立ち読みしはじめて、最後まで一気読みしてしまいました。(読み終わった後に買いました)

ギャラリーストーカー問題は、美術業界だけでなく、イラストレーション業界、イラストレーションギャラリーでも同じくある問題です。
帯に「画廊は、まるで無料のキャバクラ!?」とありますが、実際に「ギャラリーは無料キャバクラ、タダで酒が飲めて女の子と喋れる」と発言していたという男性も知っています。
この本では、美大予備校〜美大在学中〜卒業後までの女性が受ける差別、性被害について書いてあります。
私自身も複数の被害経験がありますし、美大予備校で先輩だった男性講師が後輩に対して性加害を行っているという話を聞いたこともありますし、大学在学中も男性講師からしつこく迫られ困っている女子学生も見聞きしたことがあります。卒業後も同様です。この本に掲載されている事例は結構「あるある」です。
あと、大学が全く守ってくれないというのも事実です。
対策としては、作家同士で情報共有することで自己防衛しているというのが現状です。

しかし、美術館の学芸員がハラスメントを行い、しかも報復として作品を蹴る(ひどすぎる!!)などのギャラリーと大学以外での部分のハラスメントと、東京芸大は昔男子校だったなどの歴史的背景などは結構知らないことも多く、その辺は美術ファンとしての猪谷さんの造詣が生かされているのかなと思いました。でも美術ファンの方にはあんまり美大の実態が知られていないのかも、とも思いました。

この本にも書かれていますが、美術大学という環境にいると、「作品が第一」みたいな価値観になってしまうことや、ヌードデッサンが授業として存在すること、裸モチーフの作品が大量に存在することなどから、一般の社会とは性的なものへの感覚がズレてしまう部分があり、それで加害・被害に気づかない事があるように思います。
私自身も、今でもわりかしそういった部分があるように思います。
後日改めて、ブログにでも自分の経験を含めた感想を書こうと思います。

#ギャラリーストーカー
#美術業界を蝕む女性差別と性被害

November 26, 2022


一昨日買った本。(長いです)
その1 #オタク六法
みんなで筋肉体操」に出てた、コスプレイヤー弁護士の小林航太さんが書いた本。
著作権の本なのかと思ったら違った…
マジで六法だった。結婚とか相続とかオタ卒(自分の死)についてまで書いてあり、かなり幅広い法律の本だった。
知的財産法についても、著作権だけでなく商標権、意匠権まで言及されていた。

そうなんだよ
著作権は結構広まって来たけど、それって商標権・意匠権では?ということまで「著作権」って言い過ぎでは?他の知的財産権との区別がついてない人が多いのでは?と思っていたのだ。私も本当は「イラストレーション」の記事で商標権まで言及したかったんです…
とにかく情報がフレッシュですごい。どんだけギリギリまで原稿直していたのだろう!デザインも可愛く、文も読みやすい。

ただ契約書見本のデフォルトが著作権譲渡・著作者人格権不行使特約付きなのだけはマイナス。著作権譲渡の項では「基本的に譲渡は企業が楽するためのもので、その後の金銭の支払いもない。少しでも疑問があれば弁護士に相談しろ」的なことが書いてあるのに、なぜ契約書見本にはそれが反映されてないのだろう。
あと、この契約書見本をそのまま使うと、民間企業との仕事の場合、独占禁止法または下請法違反になる可能性がある。「そのまま使うな」とは書いてありますけど(これは誠実と思う)、法律知識がない読者の人はもちろん、メディア企業以外の法務部員や、現場の実務をよく知らない弁護士・弁理士は、この契約書に疑問を抱かず、そのまま使いそうで怖いと思った。

小林航太弁護士は、事務所のサイトを読む限りでは、いわゆる一般民事(相続とか、離婚とか)が専門で、いわゆる企業法務や著作権を専門にした弁護士ではないので、著作権契約や個人対企業の契約のことは、よく知らないのかも?と思いました。弁護士としてもまだ5年目で、経験も浅いみたいですし。

しかし、最近の若い漫画家さんやいわゆる絵師さんは、自分で著作権管理するのが面倒くさいから、著作権買取に抵抗がない人もいると聞くしなあ…
本人がいいなら、それでいいのですが…
う〜む…と思った契約書見本でした。他の部分は、非常にいい本だと思いました。

 

 


その2 #話題にしてもらう技術
東京にいたときに知り合ったPRパーソンの加藤恭子さんの本。加藤さんもアタック25出場経験者である。
この本、取材受ける前に読みたかった…

私は、イラストレーターとして、そこまで大きい仕事をしてない割には、メディアに出ることができていると思う。熊本日日新聞にも出たことがあるし、日本唯一のイラストレーション専門誌「イラストレーション」にもだいぶ前に座談会で出たし、今年も神戸市のサイト「神戸クリエイターズノート」に出た。
しかし、運良く機会を得ているのに、いずれのインタビューも、なんか自分の言いたいことがうまく伝わってないな?と思っていたのです。
記者・編集者・ライターさんの名誉のために言うと、記事自体は好評でした。
しかし、私の中では何かスッキリしない部分が確実にあり、しかしなぜそうなってしまうのかも、自分でよくわからなかったのです。
あくまで他人だしな、その人が書きたいものを書くんだよな…と思うことにして、自分の中では片付けていた。

この本を読んで、その違和感の原因がわかり、なるほど納得した。
自分が言いたいことをペラペラ喋るだけでは、ダメだったのね。当たり前か!
実は、同じようなことを他の人にも言われたことあるような気がしますが、その時は反発してしまった。加藤さんの言葉だとスッと納得できた。なぜかしら…
プレスリリースも個展やるごとに出してたけど、書き方習ったことないから、見よう見まねだったので、勉強になりました。
今後に活かします。

 

July 27, 2022

今日のランチ 野菜のクリームパスタ

おいしい。

県庁にある、障害者の方が店員さんのカフェも可愛くておいしいし、神戸は公の運営のカフェが普通におしゃでおいしいのが凄い。

以下、写真と全然関係ない日記

「嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか」ようやく読み終わった。

話題の書である。

ミズノスポーツライター賞最優秀賞、大宅壮一ノンフィクション賞講談社本田靖春ノンフィクション賞を受賞している。

内容は、ザックリ言うと、落合博満という人間を、落合の周りの中日の人たち(選手だけではない)を取材することによって描く、というノンフィクションである。

なんか…すごいおこがましいことを言いますが、私、人類を、「落合」か「非・落合」かに分けたら、明らかに「落合」側の人間だと思いました。私は何一つ結果を出せていない、嫌われ、孤独なだけの無能な落合です…書いてて悲しいな😢そして落合と違って、理解されることを諦めてもいないのだ。ウッ😭

私は落合が言ってることはスッと理解できたし、何かおかしなことを言ってるようにも全く思わなかったので、

正直、最後まで筆者に何一つ共感する部分がなく、イライラしながら読んだ。そして、最後の方でカタルシスを得た。荒木のおかげだよ😭

変な感想かもしれませんが、読書感、読後感としては『メモワール 古屋誠一との二〇年』(小林紀晴 著)を読んだ時と近いものがあった。

古屋誠一さんは写真家で、奥さんの写真を撮り続け、そのうち奥さんは心を病んで自殺するんだけど、その死の写真も撮り、その後、奥さんの写真集を何冊も再編集しながら出す、というスタイルで活動してる人である。

「メモワール」を読んだ時も、小林さんにとっては古屋さんは謎なんだけど、私は古屋さんの行動の理由が全部わかるのに、なんで小林さんはわかんないんだろう、と思いながら読んでいた。そんで「メモワール」は特にカタルシスなく終わった。いろいろ考えさせられる本ではあったが…

私は古屋誠一という人にはモチーフはともかく、写真との距離感っていうか、写真集という手段を使って自分の気持ちを整理しようとしてるという点で非常にシンパシーを感じるし、こういう人が存在して写真界で成功してる(成功してると私は思ってる)ことには非常に励まされている。

「嫌われた監督」長いし分厚いが、確かにこれは名作ですね。私のように、野球ほぼ無知な人でも面白い本でした。

結果を出さないとね