TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

November 26, 2022


一昨日買った本。(長いです)
その1 #オタク六法
みんなで筋肉体操」に出てた、コスプレイヤー弁護士の小林航太さんが書いた本。
著作権の本なのかと思ったら違った…
マジで六法だった。結婚とか相続とかオタ卒(自分の死)についてまで書いてあり、かなり幅広い法律の本だった。
知的財産法についても、著作権だけでなく商標権、意匠権まで言及されていた。

そうなんだよ
著作権は結構広まって来たけど、それって商標権・意匠権では?ということまで「著作権」って言い過ぎでは?他の知的財産権との区別がついてない人が多いのでは?と思っていたのだ。私も本当は「イラストレーション」の記事で商標権まで言及したかったんです…
とにかく情報がフレッシュですごい。どんだけギリギリまで原稿直していたのだろう!デザインも可愛く、文も読みやすい。

ただ契約書見本のデフォルトが著作権譲渡・著作者人格権不行使特約付きなのだけはマイナス。著作権譲渡の項では「基本的に譲渡は企業が楽するためのもので、その後の金銭の支払いもない。少しでも疑問があれば弁護士に相談しろ」的なことが書いてあるのに、なぜ契約書見本にはそれが反映されてないのだろう。
あと、この契約書見本をそのまま使うと、民間企業との仕事の場合、独占禁止法または下請法違反になる可能性がある。「そのまま使うな」とは書いてありますけど(これは誠実と思う)、法律知識がない読者の人はもちろん、メディア企業以外の法務部員や、現場の実務をよく知らない弁護士・弁理士は、この契約書に疑問を抱かず、そのまま使いそうで怖いと思った。

小林航太弁護士は、事務所のサイトを読む限りでは、いわゆる一般民事(相続とか、離婚とか)が専門で、いわゆる企業法務や著作権を専門にした弁護士ではないので、著作権契約や個人対企業の契約のことは、よく知らないのかも?と思いました。弁護士としてもまだ5年目で、経験も浅いみたいですし。

しかし、最近の若い漫画家さんやいわゆる絵師さんは、自分で著作権管理するのが面倒くさいから、著作権買取に抵抗がない人もいると聞くしなあ…
本人がいいなら、それでいいのですが…
う〜む…と思った契約書見本でした。他の部分は、非常にいい本だと思いました。

 

 


その2 #話題にしてもらう技術
東京にいたときに知り合ったPRパーソンの加藤恭子さんの本。加藤さんもアタック25出場経験者である。
この本、取材受ける前に読みたかった…

私は、イラストレーターとして、そこまで大きい仕事をしてない割には、メディアに出ることができていると思う。熊本日日新聞にも出たことがあるし、日本唯一のイラストレーション専門誌「イラストレーション」にもだいぶ前に座談会で出たし、今年も神戸市のサイト「神戸クリエイターズノート」に出た。
しかし、運良く機会を得ているのに、いずれのインタビューも、なんか自分の言いたいことがうまく伝わってないな?と思っていたのです。
記者・編集者・ライターさんの名誉のために言うと、記事自体は好評でした。
しかし、私の中では何かスッキリしない部分が確実にあり、しかしなぜそうなってしまうのかも、自分でよくわからなかったのです。
あくまで他人だしな、その人が書きたいものを書くんだよな…と思うことにして、自分の中では片付けていた。

この本を読んで、その違和感の原因がわかり、なるほど納得した。
自分が言いたいことをペラペラ喋るだけでは、ダメだったのね。当たり前か!
実は、同じようなことを他の人にも言われたことあるような気がしますが、その時は反発してしまった。加藤さんの言葉だとスッと納得できた。なぜかしら…
プレスリリースも個展やるごとに出してたけど、書き方習ったことないから、見よう見まねだったので、勉強になりました。
今後に活かします。