感想は…
今まで岩波くんが撮った東日本大震災の展示&写真集の中で、一番興味を惹かれた。
まず、お祭りが、こんなにたくさんあるって知らなかったし。(岩波くんが撮影したものだけで100近くある)衣装も、北の方だなー!って感じの色使いで、きれい。
という連載をやっているのだが、元寮生に話を聞くと、ほぼ毎回「寮祭」の話が出てきていた。
寮祭とは、文字通り寮のお祭りである。祭りと言っても、巨大なタテカンを立てて、それをバックにステージを作り、朝までカラオケをするという内容なのだが、しかしこれも代々受け継がれた、彼らの文化・伝統行事で、大切なものなのである。
「こんなに生活が大変なのに、なぜ祭りをするんだろう」と岩波くんは最初思っていたけど、被災地の祭りのボスみたいな人に「そうではなくて、むしろ大変だから祭りをしないといけないのだ」と言われた、みたいな話を聞いて、そうなのか
と思った
って言う話は、駒場寮祭とも通じるものがあるんじゃないかなと思ったし、私たちの生活でもそうなんじゃないかな?と思った。
「祭り」というのは、別にいわゆる伝統芸能とか地域文化的なものだけではなくて、例えば今の時代には、外食や飲み会、カラオケもある種の「祭り」なんだと思う。
私は20代の頃、5社を転々と働いていたけど、仕事がハードな職場ほど、飲み会をきちんとする傾向にあったと思う。
つまり何らかの危機が訪れたとき、人は祭りのエネルギーを求めざるを得ないし、エネルギーが生成されるのだ。元気がないんだけど、元気を出すために自ら祭りをするのである。この1年、ライブとか演劇とか文化芸能は不要不急って言われていたけど、むしろ逆なのでは。封じられたエネルギーは、どこへ行けばいいのか?
というようなことを考えた。
展示は28日までです。
美術館自体も素敵な建物で、ケーキもおいしく、良いところだと思いました。
また行きたい。