TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

March 23, 2021

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日曜日の日記 その3

奈良市写真美術館に行き、大学友達の岩波友紀くんの展示「紡ぎ音」を見た。これを見に奈良まで行ったのです。
超ザックリ説明すると、東日本大震災の被災地のお祭りを撮影したものです。
これは、第四回入江泰吉記念写真賞受賞作品である。この賞を取ると、奈良市写真美術館で展示できて、写真集も出してもらえる、という賞なのである。
トークイベント「祭りから見る3.11被災地」
岩波友紀(写真家)x橋本裕之(民俗学者)
を聞いた。↓ここから見れますよ

感想は…
今まで岩波くんが撮った東日本大震災の展示&写真集の中で、一番興味を惹かれた。
まず、お祭りが、こんなにたくさんあるって知らなかったし。(岩波くんが撮影したものだけで100近くある)衣装も、北の方だなー!って感じの色使いで、きれい。
あと、トークを聞いて、
人は、自分の生活に関わる、何らかの危機が訪れると、何らかのエネルギーが発生して、「祭り」を頑張るようになるのかな?
と思った。

私は昔、東大にあった駒場寮という学生寮の写真を昔撮影していて、いまはその時に写真を撮らせてもらった人を訪ねてもう一回話を聞く
という連載をやっているのだが、元寮生に話を聞くと、ほぼ毎回「寮祭」の話が出てきていた。

寮祭とは、文字通り寮のお祭りである。祭りと言っても、巨大なタテカンを立てて、それをバックにステージを作り、朝までカラオケをするという内容なのだが、しかしこれも代々受け継がれた、彼らの文化・伝統行事で、大切なものなのである。
駒場寮は大学側と学生が廃寮をめぐり激しく対立し、最高裁まで争った末、なくなってしまったのであるが、この寮祭は、廃寮(2001年8月)直前の5月まで、きちんと行われていたらしい。
「こんなに生活が大変なのに、なぜ祭りをするんだろう」と岩波くんは最初思っていたけど、被災地の祭りのボスみたいな人に「そうではなくて、むしろ大変だから祭りをしないといけないのだ」と言われた、みたいな話を聞いて、そうなのか
と思った
って言う話は、駒場寮祭とも通じるものがあるんじゃないかなと思ったし、私たちの生活でもそうなんじゃないかな?と思った。

「祭り」というのは、別にいわゆる伝統芸能とか地域文化的なものだけではなくて、例えば今の時代には、外食や飲み会、カラオケもある種の「祭り」なんだと思う。
私は20代の頃、5社を転々と働いていたけど、仕事がハードな職場ほど、飲み会をきちんとする傾向にあったと思う。

つまり何らかの危機が訪れたとき、人は祭りのエネルギーを求めざるを得ないし、エネルギーが生成されるのだ。元気がないんだけど、元気を出すために自ら祭りをするのである。この1年、ライブとか演劇とか文化芸能は不要不急って言われていたけど、むしろ逆なのでは。封じられたエネルギーは、どこへ行けばいいのか?
というようなことを考えた。

展示は28日までです。
美術館自体も素敵な建物で、ケーキもおいしく、良いところだと思いました。
また行きたい。