TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

November 28, 2021

一昨日の日記(長いです)

宝塚市の、売布神社駅というところにある映画館、シネ・ピピアで「MINAMATA」を見た。
神戸でもやってたのですが、神戸でやってるとき、もーれつに忙しくて、気がついたら終わっていました。しかし熊本県出身者としては、これは見ないといけないのでは?と思っていました。なので初めて宝塚まで行き、見てきました。

売布神社駅前の駅ビル「ピピアめふ」に、コープやドラッグストアと、市役所の出張所みたいなところと、小さい映画館が入っていた。

感想は…
これは、あくまで「真実を元にした物語」であって、それを前提に見ないといけない映画だと思った。あと、あくまで外国人の人が作った映画だし、ロケ地も日本ではない。ドキュメンタリー映画ではないので、ドキュメンタリー映画と思って見てはダメ。

あと、タイトルが「MINAMATA」なので、水俣病の映画なのかな
と思っていたのですが、想像以上に「水俣病の映画」ではなかった。あくまでユージン・スミス水俣の関係をもとに世界の公害問題について考える、伝えるというのがテーマの映画だった。
これくらい話として分かりやすくないと、いろんな国の人に伝わらないんだろうな
と思った。
でも、外国の人なのに、よくここまで調べたな!とは思った。外国の人というか、コミュニティ外の人にしか出来ないことも、あるよね。

あとこの映画を見るまで、ユージンスミスの晩年と、「LIFE」をはじめとしたニュース写真週刊誌によるフォトジャーナリズムの時代の終わりがかぶっているというのに気づいてなかった。
この時代(1970年くらい)というのは、テレビの普及によって、ニュース週刊誌が急速にシュリンクして行く時代でもあるのだよね。
ネットの普及によって新聞(紙媒体)が売れなくなっている今と、重なる部分があるなと思いました。

あとは、加瀬亮が熊本弁がうまくて驚いた。真田博之は金八先生かな?みたいな感じだったけど。あとロケ地も外国(セルビア・モンテネグロ)で、子役も外国人なので、そんな中で熊本弁が飛び交うというシュールさはありました。

私は熊本県出身で、今の実家は熊本市で、生まれたのも一番長く生活してたのも熊本市なので、基本的に熊本市出身者だと思っている。
水俣には、たぶん1回しか行ったことがない。

でも天草、菊池、人吉でも暮らしてたことがある。
なので、この映画の冒頭で「五木の子守唄」を水俣の人が歌ったとき、「『五木の子守唄』って水俣でも歌うものだっけ?」とその時点で「これは外国の人が作った映画だから、しょうがないよな〜」みたいな気持ちになった。「五木の子守唄」は人吉球磨地方に伝わる子守唄で、あんまり他の地域の人は歌わないと思います。五木というのは、人吉市の北にある球磨郡五木村のことです。

でも最初と最後、2回も五木の子守唄は出てくるので、なんで「五木の子守唄」をわざわざ選んだんだろう、それなりに意味があるのかな…
と思って、家に帰ってから調べたら、五木の子守唄の歌詞の内容は、要するにブルースというか、「差別される側の悲しみ」を歌う歌だったのである。全然知らなかった。
だから、意味があって「五木の子守唄」を選んだんだろうと思った。

ちなみに五木村は、川辺川ダム建設によって村の可住地の大半が沈むことが決まっている。(住民の移転も完了している)

この映画について、熊本県水俣市で8月に開く上映会の後援を水俣市は断ったが、熊本県は後援した、というのは、わかるなーと思った。
水俣の人はいくらこれが作り物と言っても、そんなに割り切れない部分もあるのではないだろうか。まだ水俣病問題は今現在も続いてる話なのだし…

ほぼノー知識で見に行ったので、これから他の人の感想や、記事などを読んでみようと思います。

ユージン・スミスに興味を持ったので、今後どうにかして「ジャズ・ロフト」も見たい。(これまた神戸で終わってました)

写真はMINAMATAのパンフレット、宝塚駅、ピピアめふに入ってた地元信金の定期預金商品です。
関西にいる間に、宝塚って一度は見てみたいが、何見たらいいのかもよくわからないし、チケットの取り方もよくわからないから(シティーハンター見たかったけど、見たときにはもう満席でした。)この定期預金に入ってみるのも悪くないかも?
と思いました。

#MINAMATA