TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

「法人登記の代表取締役の個人情報保護に関する提言書」への懸念 フリーランス協会とクリエイターエコノミー協会の悪しき共通点

 

0・「法人登記の代表取締役の個人情報保護に関する提言書」とは?ザックリ言うと

2023年5月8日、一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会(以下、フリーランス協会)は、他の5団体と連名で、自民党 新しい資本主義実行本部 スタートアップ政策に関する小委員会に対し「法人登記の代表取締役の個人情報保護に関する提言書」を提出したそうです。

blog.freelance-jp.org
要するに、かなりザックリ言うと、
「今の法人登記の制度では、代表取締役が自宅の住所まで公開しなければならないけど、それは時代に合わないからやめない?いろいろ問題あるし、他に良い方法あるやろ(その方法もご提案)」
という提言書です。

2023年5月25日には、同じ提言書を、自民党スタートアップ推進議員連盟にも提出したそうです。これについて、私は下記のような疑問と、懸念を感じました。

1・フリーランス協会は、インボイス制度導入に伴う、個人事業主の個人情報漏洩問題については何も言及や提言がなかったのに、なぜ法人成りするフリーランスの個人情報保護にだけは提言するのか?

インボイス制度に反対する人たちの中には、「個人事業主の個人情報が公開される」ことを理由としている人もいます。
これは私自身も、実際に不安に感じています。(いわゆる「本名バレ問題」)
昨年9月に一応の対応が行われ、現時点でダウンロードできるのは登録番号だけですが、下記の記事によれば、ある特殊な手段を使えば、現状でも氏名も容易に復元できるようで、不安に感じています。

juninukai.theletter.jp
「本名バレ問題」が話題になっていた昨年9月には、フリーランス協会からは、私が知る限りでは、この問題については、何も言及も行動もなかったように思います。
大半のフリーランス個人事業主の個人情報の問題には何も言及せず、むしろインボイス登録を積極的に推進していたのに、法人成りするフリーランス・ひとり社長の問題だけここまで動くというのは、よく理解できないなと感じました。

↓参考記事

juninukai.theletter.jp

2・この提言の連名6団体の中に、フリーランス協会に加えて「クリエイターエコノミー協会」(note株式会社が代表理事の団体)が入っており、提言団体全体のモラルに懸念を感じる。

上記の提言の連名6団体の中には、「クリエイターエコノミー協会」が入っています。

creator-economy.jp

クリエイターエコノミー協会は、業務資本提携を行っているBASE株式会社、note株式会社、UUUM株式会社の三社によって立ち上げられたものです。
代表理事は上記三社の代表取締役、所在地はnote株式会社と同一住所であり、事務局長はnote株式会社・法務コンプライアンス室室長である淺井健人氏です。
つまり、クリエイターエコノミー協会は、note株式会社と極めて関係が深い団体(ほぼ一体?)ということになります。

私はnote株式会社が運営するサービス「note」と、フリーランス協会の広報や運営のあり方には共通点が多く、代表の「自分たちに都合が悪いものは、存在自体を『ない』ことにする」という態度も、非常に似ていると以前から感じていました。

以下に、note&フリーランス協会に共通する、実際に行われた低モラル行為を紹介します。こんな不誠実極まりない人達による「政策提言」とは…?非常に不安を感じます。

共通の低モラル行為1・数字を盛る

noteの「ビュー」はPVではなく、「MAU」も独自基準のものです。
ですので、他のサービスとは数字の比較ができません。

petitmatch.hatenablog.com

petitmatch.hatenablog.com

フリーランス協会の「会員総数」も「会員数」ではありません。

また、フリーランス協会のアンケートはフリーランス人口(内閣官房による統一調査によれば2020年2月10日~3月6日調べで462万人 https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaigo2018/koyou/report.pdf )に対して回答者数がかなり少なく、今年の「フリーランス白書」は878名 (内 フリーランス・パラレルキャリア活動者 850名)しかアンケート回答者数がいないのに、「フリーランス『白書』」とか言うのも、大げさすぎるのではと感じています。
下記は今年の「フリーランス白書」です。

blog.freelance-jp.orgこの件に関しては、ジャーナリストの犬飼淳さんも記事を書いています。

juninukai.theletter.jp

共通の低モラル行為2・「トップに近い人間」が直接、ユーザー(顧客)に嫌がらせ・ハラスメントを行い、「被害者から」指摘を受けるまで自身の加害行為に気づかない

私はかつてnoteユーザーであった頃、2020年4月に、note社CXO(CXOというのはChief Experience Officer、「最高体験責任者」という意味だそうです…)の深津貴之氏から、以前Twitter上で理不尽に絡まれ、恫喝された被害者です。
深津氏のnoteを読み、note社のイラストレーターの採用条件について違法性を感じたため、それをつぶやいたところ、直接リプライされたので、詳細を確認しただけなのですが、クレーマーのように扱われた上、延々と論点をずらされ、ごまかすような態度を取られた上に、最終的には逃げられました。
ユーザーとしても、一市民としても、極めて不快な「迷惑行為」と受け取りましたので、その際には、直接の面識があるnoteプロデューサーの徳力基彦さんに連絡して、対処していただき、社として謝罪を受けました。

↓その時のことをまとめたブログがこちらです。

petitmatch.hatenablog.com
フリーランス協会については、この記事の【2】でも書いていますが、2022年12月、フリーランス協会Twitterアカウントがインボイス反対派を「エコーチェンバー」と罵倒する事件が発生しました。
この加害行為は、フリーランス協会の会員である個人に対しても行われていました。

petitmatch.hatenablog.com
Twitter担当者が誰なのか」は明らかになっていません。平田代表本人によるこのブログの説明ではあくまで「不適切な発言」に対する「謝罪」であり、「『エコーチェンバー』と罵倒された被害者」に対する謝罪には、全くなっていないように思います。
また、「インボイス反対派のせいで運用担当者が感情的に反応してしまった」という内容の、「逆ギレ」とも受け取れる説明があります。私の調べによれば、個人の被害者には、未だに直接の謝罪は行っていないようです。

blog.freelance-jp.orgまた、自らの加害行為の事実や、それに対する謝罪文よりも先に、他者の発信への法的措置を匂わせるような文章を入れていることで、自らの加害行為を矮小化する意図を感じます。
加えて、被害者への直接謝罪がないという点で、note株式会社の事例よりも悪質性は高いように思います。
また、上記のブログに書いてあることは、私が知る限りでは、大半が嘘(まさに「不正確な情報」)であるように思われます。私はフリーランス協会の有料会員ですが、未だに問い合わせは無視されています。詳しくは下記の記事に書きました。

petitmatch.hatenablog.com

共通の低モラル行為3・自分たちに都合が悪いものは、存在自体を『ない』ことにする

共通の低モラル行為4・国の機関の会議において、実態と異なる不誠実な説明を行っている

note株式会社代表取締役CEOの加藤貞顕氏は以前、「そもそもnoteのコメント欄は相対的に荒れないようになっている」という発言をしていました。
しかし、実際には、コメント欄トラブルは確実に存在します。私もnoteユーザーだった頃には頻繁に見かけましたし、今年(2023年)になっても未だに私のところにユーザーさんからトラブル相談の連絡が来るくらいです。
詳しくは下記の記事に書きました。

petitmatch.hatenablog.com

petitmatch.hatenablog.comまた、昨年、note株式会社・法務コンプライアンス室室長である淺井健人氏は、消費者庁との連絡会において「noteでは『投げ銭』サービスは運営していない」というような発言をしているようです。

note においては、「投げ銭」サービスは運営していない

また通報や問合せがあった場合やトラブルが発生した場合についても、適切に対応している。

インターネット消費者取引連絡会(第 47 回)議事要旨
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/meeting_materials/assets/internet_committee_230303_01.pdf

www.caa.go.jp
↓「インターネット消費者取引連絡会」とは

www.caa.go.jp

noteの「サポート機能」が実質「投げ銭機能」であることは、広く知られている事実であるように私は認識しています。

www.itmedia.co.jp

live-haishin-navi.com

wonderful-wife.net
*公式には一応下記のようにあるが…一般的な認識はどうなのかなっていうと…?

サポートは、読者の方からの応援をあつめるのにとても便利な機能です。

しかし、あくまでこれは「記事の対価としてお金を支払う」機能です。

そのため、クリエイター個人に対する「寄付」や「投げ銭」としてではなく、かならず記事の対価として、機能のご利用を考えていただくようにお願いいたします。

note.com

また、本当に適切に対応していたら、なぜ、もはやnote社と全く無関係の一個人である私に対し、noteユーザーさんから「note運営がマトモに対応してくれない。助けて欲しい」というような連絡が、2年以上も来続けるのでしょうか。
淺井氏は、note社の法務責任者でありながら、全く事実を把握していないか、不都合な真実は「存在しない」ものとして扱っているかのどちらかなのではないでしょうか。
または「俺様の対応は全部『適切』だから、『不適切な対応』は『存在しない』」ということなのでしょうか?

フリーランス協会もnote社と同様に、「実態と異なる情報を国の機関に対して伝える」という特徴があります。
実態としては反対派も多数いるにも関わらず、「フリーランスインボイス制度に反対していない」という印象付けを、内閣府の会議(税制調査会)やメディアで繰り返し行っています。
これもまた「反対派の『存在』自体を徹底的に否定したい」、
note社と同様に「自分たちに都合が悪いものは『存在しない』ことにしたい」という、強い意志を感じます。もしくはそもそも「視野に入らない」のかもしれません。
詳しくは下記記事に書きました。

petitmatch.hatenablog.comちなみに、私がフリーランス協会に無視されている問い合わせ事項は下記の記事にありますが、まだ回答はありません。これも「都合が悪い→『ない』ことにしよう」としているように感じています。

petitmatch.hatenablog.comしかし、この程度の質問に回答できないというのは、相当な「後ろめたいこと」、「会員には言えないこと」があるということなのでしょうか…こういった事務局の態度も、会員としても本当に不安なので、退会予定でおります。

*ちなみに…インボイス制度反対署名「STOPインボイス」への署名は2023年5月28日現在で、20万筆を超えています。

chng.it
さらに、「自分たちはちゃんと説明しているのに、メディアが『誤解』する。自分たちは間違いは発信していない」という言い訳で、事実と異なる情報をメディアを通して発信しています。

juninukai.theletter.jp

【結論】こんな低モラルな「一般社団法人」による政策提言には、不安しか感じない。他の団体も怪しい団体なのかと勘ぐってしまう。

私の考えとしては、この提言自体は、良いものだと感じます。
代表取締役の個人情報(住所)の原則「非開示」化は、起業のしやすさを考えると必要でしょう。私も女性として、一人暮らしの女性の場合には、特に自宅住所は公開したくないという感覚はわかります。

しかし、確かに言ってることは至極ごもっともなのですが、何しろ「日頃の行い」に疑問を感じる団体が2つも入っているので、「何か別の目的があるんじゃないの?」「何か後ろめたいことがあって、裁判のハードルを上げたいだけなんじゃないの?」などと、不安になってしまいました。
特にnote株式会社については、私はこのブログで2020年から問題点を指摘してきましたが、過去の悪行がひどすぎますし、未だに私の方に寄せられる情報があり、その内容もかなり不穏なものが多いため、未だに不信感は拭えません。

petitmatch.hatenablog.com
フリーランス協会も、昨年末の「エコーチェンバー事件」をはじめとして、以前から不審な動きが多く見られます。

petitmatch.hatenablog.com個人的にはクリエイターエコノミー協会、フリーランス協会ともに、「クリエイターやフリーランスを利用して、自分たちが楽して儲けたい」という目的を持った団体であるという印象を持っています。
まあそれ自体に法的な問題があるわけではないですし、それこそ職業選択の自由ですが、この2団体に関しては、ちょっとあまりに「日頃の行い」が悪すぎるので…クリエイターかつフリーランスである私としては、かなり「心証は悪い」というのが正直なところです。

今回の件で、不審に感じ、情報を記録していた2つの組織が繋がり、
「『類は友を呼ぶ』って本当なんだなあ…」と感じてしまいました。
そして私はこの人たちの「類」ではないんだな、という自覚を、改めて持ちました。

目の前の人に対して誠実に仕事をし、人間としても誠実に生きていきたい。また、間違えたときには、気付ける人間でありたいと思いましたし、他の人から自分の問題点の指摘を受けたら素直に受け入れ、改善できるよう努力できる人間でいたいと、改めて強く感じました。

しかし、他の4団体も、同程度のモラル感覚の構成員による団体なのでしょうか…
全く聞いたことがない団体ばかりなので評価はできませんが、正直なところ上記2団体と繋がってるというだけで、印象は『かなり』悪くなりました。

私の懸念が杞憂に終われば、それで良いのですが…
今までの上記2団体からの不誠実な対応や、マスコミの安易なリリースコピペ報道(それ報道じゃなくて広報じゃないの?)、ネットメディア等でのお友達紹介(利益の回し合い?)記事の多さから、現状では、いちフリーランス、いちクリエイターとして、かなり不安に感じています。
↓マスコミへの不安は、下記の記事にも書きましたが、

petitmatch.hatenablog.com朝日新聞のこれも相当やばいなと思いました…何も聞けてないですし、単なる広報になっちゃってますよね…

digital.asahi.com以前、デジタル庁noteに関する記事で、「スタートアップ界隈の内輪ノリとnoteの『信者とお仲間ビジネス』、今の『お友達政治』は相性が良い」という話を書きました。

petitmatch.hatenablog.com
事態はより悪化し、既存メディアも悪い意味で「note化」し、
「スタートアップ界隈の内輪ノリ+メディアと広報のお友達ビジネス+noteの『信者とお仲間ビジネス』+『お友達政治』」が具現化されたのが、この提言であるように感じました。

以上、思うところをつらつら書きましたが、何かのご参考になれば幸いです。