【2023/3/25 最終更新】
今後も問題が続きそうな予感がしたので、時系列順にまとめを作りました。
フリーランス協会(一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会)をめぐる問題に関心がある方、またフリーランス協会を取り上げる、報道・メディア関係者の方などの参考になれば幸いです。
関係性明示:私は2022/3/15現在、フリーランス協会の一般会員(有料会員)です。
- 【0】そもそも「フリーランス協会」とは何か
- 【1】2022年9月、フリーランス協会Twitterアカウントから私に直接、日経の報道を「誤報」と一方的に決めつけるリプライが→日経の記事が誤報である根拠は何かを質問したが、回答なし。
- 【2】2022年12月 フリーランス協会Twitterアカウントがインボイス反対派を「エコーチェンバー」と罵倒する事件が発生→炎上
- 【3】2023年2月 ジャーナリスト犬飼淳氏による記事「データを捻じ曲げ、インボイス反対の声をかき消すフリーランス協会の正体」が配信される
- 【4】2023年3月 フリーランス協会代表・平田氏による声明「Twitterにおける不正確な情報・誹謗中傷について」が配信される
- これらの問題に対する、私の個人的な疑問点まとめ(2022/3/15時点)
- フリーランス協会の現状に対する個人的な印象・思うところ(2022/3/15時点)
【0】そもそも「フリーランス協会」とは何か
正式名称は「一般社団法人プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会」。
個人事業主や一人社長、副業・複業人材(フリーランス)向けの各種保険や、優待サービスを提供する組織(保険代理店)。
労働組合や職業団体としての機能はない。
一般会員、法人会員、無料会員の3種の会員がある。
無料会員に関しては、入会条件は全くない。
一般会員(有料会員・年会費1万円)に関しても、資格や職種、開業届の提出有無、国籍を問わず誰でも入会できる。
本人確認書類と、クレジットカードによる本人確認審査はある。
www.freelance-jp.org
法人会員は紹介制による入会。(既存法人会員もしくはフリーランス協会理事メンバーの紹介が必要)。
【1】2022年9月、フリーランス協会Twitterアカウントから私に直接、日経の報道を「誤報」と一方的に決めつけるリプライが→日経の記事が誤報である根拠は何かを質問したが、回答なし。
新しい法律ができるみたいです。つい先週、下請法改正の話が出たばかりですが、この新法は「秋の臨時国会に法案を提出し、会期内成立を目指す。」とあり、下請法改正より早く施行されるのでしょうか? / “【イラストレーターに関係する法律NEWS】「フリーランス新法」がで…” https://t.co/MLu81T54kx
— オオスキ トモコ (@cafe_petit) 2022年9月13日
突然失礼致します。宜しければ解析記事を書いたのでご笑覧ください🙇♀️(下請法改正は誤報です)https://t.co/e2hJItYbM7
— フリーランス協会 (@freelance_jp) 2022年9月15日
ありがとうございます。
— オオスキ トモコ (@cafe_petit) 2022年9月15日
下請法改正はなしで、フリーランス新法だけが新しくできるということなんでしょうか?
下請法改正が誤報というのは、どこ情報なんでしょうか。
私からの上記の質問には、回答がありませんでした。
このあと私は、間違いを発信してはいけないと思い、内閣官房に直接電話をかけて確認しました。
内閣官房の回答は「問題に対し立法(フリーランス新報)で対処するのか、法改正(下請法改正)で対応するのか、検討中である。何も決定していない」というものでした。
結論としては、当時点では、「誤報」とまでは言えなかったのではないしょうか。
そもそも何も決まっていなかったのですから…
【2】2022年12月 フリーランス協会Twitterアカウントがインボイス反対派を「エコーチェンバー」と罵倒する事件が発生→炎上
この事件については、以下の記事を参照ください。
【3】2023年2月 ジャーナリスト犬飼淳氏による記事「データを捻じ曲げ、インボイス反対の声をかき消すフリーランス協会の正体」が配信される
juninukai.theletter.jp*オオスキ注:この記事は、ぜひ有料部分も読んでいただきたいです。有料部分の目次は以下
・国会議員が明言。フリーランス協会はインボイス中止に向けて「一番厄介」で「困った」存在
・某業界団体関係者が証言。フリーランス協会は他団体に越権行為をしてまで、組織的にインボイス推進運動をしている *フリーランス協会は疑いを否定
・フリーランス協会の正体
・平田麻莉会長の人物像
・フリーランス協会の暴走を止めるためにできること
実は、あまりに量が多すぎて今回は省いた問題(疑惑)が多々あります。続報を予定しているので、同協会に疑問を感じて情報提供をご希望される場合、リンク先の連絡先にお願いします。
— 犬飼淳 (@jun21101016) 2023年2月28日
他団体への越権行為、会員に対する不誠実な対応はまだまだあるはず。https://t.co/0LeuduHI9p
【4】2023年3月 フリーランス協会代表・平田氏による声明「Twitterにおける不正確な情報・誹謗中傷について」が配信される
上記記事の解説・疑問点をまとめた記事
これらの問題に対する、私の個人的な疑問点まとめ(2022/3/15時点)
【1】について・なぜフリーランス協会Twitterアカウントは、日経の記事が誤報であると「断言」したのか?(フリーランス協会に質問したが無回答)
この記事を書いている2023年3月15日現在では、結果として、フリーランス新法を作る方向で、国会に法案が提出されました。
digital.asahi.com
しかし、なぜフリーランス協会Twitterアカウントは、2022年9月15日時点で、「下請法改正は誤報です」と断言できたのでしょうか?内閣官房が「何も決まっていません」と回答した内容にもかかわらず、です。
しかも、それに対し、フリーランス協会に対して質問しても回答がないことも、とても不思議なことのように思いました。「誤報」と言い切るからには、何か根拠があってのことではなかったのでしょうか?
【2】について・フリーランス協会が書いていた「然るべき筋」とは、具体的に何なのか?(フリーランス協会に質問したが無回答)
はい、私たちが賛成・推進すると政府や議員に表明したことはありませんし、政府が特定の一団体の意見を根拠に政策を決めることもあり得ません。インボイス反対を掲げて票田を築いてきたのに止められなかったことを当協会のせいにしている議員がいるならば、然るべき筋から申し入れを入れさせて頂きます
— フリーランス協会 (@freelance_jp) 2022年12月24日
こちらも1と同様です。発言自体よりも、「『然るべき筋とは具体的に何か』と質問しても回答がないこと」自体が、非常に不自然なことのように思います。
【3】【4】について・なぜフリーランス協会は、質問に答えず、取材も拒否するのか?
これが最大の疑問です。何も後ろめたいことがなければ、何でも堂々と回答できるはずではないでしょうか?私も下記の質問内容に回答をいただけておりませんが、
petitmatch.hatenablog.com犬飼さんも、代表への直接取材は、拒否されているようです。
*慎重を期すため本件について平田麻莉代表への対面取材を申し込みましたが、応じて頂けなかったため、それ以外の方法で得たエビデンスに基づいて公開に踏み切りました。
平田代表はなぜ、「Twitterにおける不正確な情報・誹謗中傷について」では、Twitterで言われているという「不正確な情報」について、「情報そのもの」の提示をせず、また直接回答することなく、「自分で作った質問項目に自分で回答する」という、奇妙な手法を取ったのでしょうか?この方法では、この記事こそが「不正確な情報」になってしまうように思いますが…
フリーランス協会の現状に対する個人的な印象・思うところ(2022/3/15時点)
私がフリーランス協会に対して、最初に違和感を感じたのは、上記【1】のフリーランス新法についてのリプライでした。その約3ヶ月後、【2】の「エコーチェンバー事件」が起きました。
私としては、この先、何も問題が起きないことを願っております。
上記の平田氏の説明からは、あまり感じることはできませんでしたが、フリーランス協会の方たちが、本当に心から自らの非を認めて反省していて、今後の行動にそれが現れるのであれば、それで良いのではないかとも思っております。
しかし、インボイス制度に限らず、フリーランスの問題や法律について、適切な取材ができるマスコミ・メディアが現れない限りは、犬飼さんの記事にあるようなフリーランス協会の「暴走」は、これからも続く とも考えています。
それはなぜかというと、現状、日本の行政組織も、報道機関も弱っているように感じるからです。
私は2015年、消費税増税前に、中小企業庁で、イラストレーター向けの消費税セミナーを受けたことがあります。詳しくは下記記事の「4・ここに至るまでの流れ」に書きました。
petitmatch.hatenablog.com
その際の印象では、行政側は常に「自分たちの代わりに、当事者に制度を説明してくれるような当事者団体」を探しているように感じました。
その役割に入り込んだのが、フリーランス協会なのではないでしょうか。
また、フリーランス周りの法律について、「記者に対して説明する時間と、知識がある人」が「実質的にフリーランス協会しかいない」という現状があるように思います。
私も含めてですが、フリーランスって基本的に1人で働いていますから、なかなか自分の仕事につながらないような部分での取材対応は、難しいですよね…
本来的にはそういった報道機関、マスコミは、自らで国などの信頼できる統計データを元に調べ物をしたり、リアルにフリーランスの人の声を聞いたり、幅広く、フリーランスが多く所属する各職業団体に対して取材や問い合わせを行った上で、記事や番組を作るべきと考えます。
しかし、現状は、記者自体もリストラされて人数が減っていて、全然取材する時間も人も足りない状態であると思います。
そんな過酷な労働状況の中で、「自由に使っていいですよ」と、「見栄えの良いグラフ」や、「コピペすればそのまま記事になるようなプレスリリース」を出されたら、「疲れ切った労働者」の一人であるマスコミ記者は、どういった行動を取るでしょうか。
フリーランス協会は「とにかく何らかの形でメディアに出る」「マスコミ・メディアが求める『材料』を用意する」という部分では、ものすごい努力をしているし、実績も出していると受け取っています。
インボイス制度に対しても、「インボイストラブル通報BOX」というのは、一応用意されています。
通報内容の用途
・ご提供いただいた情報は、関係省庁に匿名で提供いたします。
・「取材可」にチェックを入れて頂いた方につきましては、インボイストラブルの実態把握を希望する政府関係者やメディアからの問合せに対し、ご連絡先を含めて情報提供する可能性があります。
また、詳細のヒアリングや取材対応をお願いをする可能性もございます。(顔出しNG、匿名希望等のご相談は可能です)注意事項
インボイストラブル通報BOXの目的は、インボイス制度対応に伴う契約トラブルの実態把握です。フリーランス協会による個別の相談対応や介入は致しかねますので、予めご了承ください。
しかし、この窓口は、主目的である「インボイス制度対応に伴う契約トラブルの実態把握」のほか、下記の記事で言及されている「マスコミが求める『かわいそうな人』を手配できる仕組み」としても機能するものであるように見受けられます。
個人的には、「トラブル被害者として、積極的にマスコミの取材を受けたい!」という方でなければ、直接関係官庁に通報(申告)したほうが早いのではないかなあ…と思います。
いま公取委にはネット申告できないみたいですが…(しっかりしてほしい)下記から直接情報提供できます。
www.chusho.meti.go.jp私も困った時に相談できる公的機関は、このブログでちょこちょこ紹介しています。
繰り返しになりますが、私としては、この先、フリーランス協会の活動や事務局メンバーの言動で傷つく人が出てきたり、何らかの被害や問題が起きないことを願っております。
しかし、現在の日本がこういった現状である限りは、フリーランス協会の暴走は続くと思いますし、現状のフリーランス協会の態度や動きを見る限りでは、この先、第2・第3の「エコーチェンバー事件」(フリーランス協会と考えが合わないフリーランスへの攻撃行為・嫌がらせ行為)も起こり得るのではないかなと、不安に感じております。
私はフリーランスの一当事者に過ぎません。報道機関や、ジャーナリストの方の取材に期待します。