TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

フリーランス協会による声明「Twitterにおける不正確な情報・誹謗中傷について」について

【2023/5/31 最終更新】
昨日、フリーランス協会が以下の声明を出しました。

blog.freelance-jp.orgこの文章は、フリーランス協会代表理事の平田麻莉氏によるものですが、かなり問題が多い内容であると感じました。以下で1項目ずつ確認していきます。

フリーランス協会は政治家や政府に対してインボイス賛成・支持と言って推進している?
フリーランス協会はインボイス事業者登録させようとしている?

この2点については、この声明では否定されていますが、
ジャーナリスト犬飼淳氏の記事を読むと、少なくとも「フリーランス協会の具体的な活動を見たり、実際に働きかけを受けたことによって、そういった認識を持った人が存在する」ということは間違いがないようです。
ぜひ有料部分まで読んでいただきたいです。

juninukai.theletter.jp

フリーランス協会は税制調査会でデータを捻じ曲げて詭弁を言っている?

この声明では否定されていますし、平田氏本人にはそういった自覚は全くないようですが、少なくともこの声明にある説明や資料を読む限りでは、「単なる個人の感想、平田氏の個人的な印象を、『根拠のある事実』のように語っている」と、私には見受けられました。
この声明も、何の説明にもなっていないと感じましたし、「データを捻じ曲げて詭弁を言っている」と受け取られても仕方がない態度を取っているように思います。

平田氏の言葉を借りれば、「『"平田代表は、データを捻じ曲げて詭弁を言っている"という認識をされている方が多い』という印象でした」ということになります。

詳しくは下記の記事に、追記で書きました。

petitmatch.hatenablog.com

フリーランス協会は会員数を水増ししている?

この声明では否定されていますが、一般的な感覚では、こういった数字の作り方を「水増し」と呼んでいるように思います。平田氏の感覚では違うようですが。
別の言葉を使えば「数字を盛りすぎ」でしょうか。
いずれにせよ、こういった、受け取り側に混乱を招くような数字の作り方を行うこと自体が不誠実であるように思います。こういった盛った数字を、そのまま世間に広めてしまう、メディア側にも問題があるように思います。

フリーランス協会は問合せを無視している?

フリーランス協会は問合せを無視している?

アフィリエイトや有料ブログ等への誘導、フォロワー増加など、ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられるお問合せ、または情報を切り貼りして不正確な言説を広める意図があると見受けられるお問合せへの情報提供は、1回までという方針に致しております。
当協会を必要としてくださっている会員の皆さまからのお問合せに、限られた時間を充てるため、何卒ご了承ください。

私はフリーランス協会の有料会員で、今のところ、フリーランス協会の広報メールアドレス(いまは一般には公開されていないようです)に3回問い合わせて、2回回答をもらい、3回目の問い合わせに返信がない状態です。
2回、回答をもらっていますので、「アフィリエイトや有料ブログ等への誘導、フォロワー増加など、ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられるお問合せ、または情報を切り貼りして不正確な言説を広める意図があると見受けられるお問合せ」には該当していないと考えますが、現状、返信はされていません。

「▼フリーランス協会は問合せを無視している?」は、少なくとも私の事例については、間違いない事実です。

私は、フリーランス協会の回答に不明瞭な点があったため、確認させてもらいたかったことと、有料会員としての意見をお伝えするという意味合いで、問い合わせを行いました。
フリーランス協会から無視されている、3度めの問い合わせの全文は下記記事にあります。そんな大した質問ではないように思うのですが。

petitmatch.hatenablog.com

回答がいただけなかったことは、非常に悲しく、残念に思っています。
私も現状は一応「当協会を必要としてくださっている会員」の一人のはずなのですが…

また、この説明のおかしな点は、1回以上返信しない問い合わせの相手を、
アフィリエイトや有料ブログ等への誘導、フォロワー増加など、ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられるお問合せ、または情報を切り貼りして不正確な言説を広める意図があると見受けられるお問合せ」と一方的に決めつけている点です。これは次項の「エコーチェンバー発言」と同じくらいの問題があると感じました。

「多様な会員、多様なフリーランスがいることを一番大切に考えている」のであれば、アフィリエイトブロガーや有料ブロガー、フォロワー増加など、問い合わせ相手であるフリーランスのビジネスのためトラフィックを稼ぐことに、フリーランス協会が貢献できるのであれば、むしろ積極的に情報提供をすべきなのではないでしょうか。
フリーランスのキャリア支援やジョブ創出も、フリーランス協会の活動内容のはずですが…

www.freelance-jp.org
また、「情報を切り貼りして不正確な言説を広める人がいる」と想定しているのであれば、そういった相手にこそ、適切な情報提供とコミュニケーションを行い、正確な言説が広められるように尽力するというのが、広報パーソンの役割なのではないでしょうか。
「多様な会員、多様なフリーランスがいることを一番大切に考えている」のであれば、自然とそのような考えになるのではないかと、私は考えますが…

フリーランス協会は反対派をエコチェンバー扱いした?

フリーランス協会による問題のツイート(2022/12/24) https://twitter.com/freelance_jp/status/1606448248918781952 

フリーランス協会による問題のツイート(2022/12/24) https://twitter.com/freelance_jp/status/1606448248918781952 
これは流石に認めているようですが…しかし、その発言まで会話をしていたり、対話を求めていた各個人への謝罪はないようです。これだけで済まそうとするって、あまりに軽すぎないでしょうか?
しかも、この「エコチェンバー」発言こそ、まさに「誹謗中傷」そのものであり、侮辱罪に問われる可能性もある発言であるのに、自らが行った加害行為に対する批判、不審な動きに基づく批判を「誹謗中傷」とレッテル貼りし、法的手段を匂わすというのは、加害行為の矮小化ではないでしょうか。

さらに言えば、フリーランス協会は、政策提言を積極的に行い、「フリーランス新法成立に尽力している」と激しくアピールしていました。

blog.freelance-jp.org

blog.freelance-jp.org平田代表本人も「政府検討会の委員・有識者経験多数。」とアピールしています。

www.freelance-jp.orgそういった立場の団体や代表理事に対する「問題点の指摘」や「批判」は、
「公益を図る目的」で行われている場合が多いと推測されるため、名誉毀損には該当しない可能性が極めて高いように思います。
こういった「自分たちは何を言ってもやってもいいが、我々を批判することは一切許さない。自分たちと異なる意見は『誹謗中傷』であり、法的手段を取る」と受け取れる態度からは、全く反省の色が見られないように感じますし、被害者の方に対しては、二次加害になっているように思います。

この事件について、詳細は下記記事にあります。下記記事を読めばわかりますが、声明の中の

Twitterで発信しているのは、ほとんどが当協会をご存じなく、会員でもない方とお見受けしますし

という平田氏の認識が、明確に誤りであることがよく理解できるかと思います。
私は、下記記事で、フリーランス協会会員のTwitterでの反応をまとめています。

petitmatch.hatenablog.com

また、
フリーランス協会のアカウントは、複数の担当者で分担して運用していますが、昨年末に開催したインボイスセミナーやインボイストラブル通報BOXの告知に対し、「フリーランスは”みんな”反対しているのに、反対しない協会はおかしい」と事実無根の誹謗中傷を含む多数のリプライや引用ツイートが集中的に寄せられたことを受け、運用担当者が感情的に反応してしまったものです。

という回答ですが、この

フリーランスは”みんな”反対しているのに、反対しない協会はおかしい」と事実無根の誹謗中傷を含む多数のリプライや引用ツイートが集中的に寄せられた

という点は、以前私の問い合わせに対しての回答にもありました。
私はこの点について疑問を感じ、検証・考察記事を書いています。
下記記事で、実際に検索して、そういったツイートが本当に存在するのかどうかを確認した結果を書いています。

petitmatch.hatenablog.com

結論:全体に「一方的な態度」だけが印象に残り、極めて残念。

犬飼さんのこちらの記事の有料部分に書かれていた、平田代表の
「異なる考え方の者と対話する気がそもそも無い」「自らへの批判自体を許さない」という人物像
が、今回の声明で、まさに証明されたように思います。

juninukai.theletter.jp
あまりにも幼稚で、傲慢な態度のように思います。

上記のツイートが、今回の声明の問題点を端的に示していると思ったので、引用させていただきました。

私自身も、フリーランス協会の有料会員として、大変悲しく、困惑しています。
今回の声明で、本当に心が削られました。
というか、呆れ果てているというほうが近いです。

しかし、この声明をそのまま信じる人がいると問題だなと思い(特にマスコミ・メディア関係者)、ザックリですが、取り急ぎ記事を書いてみました。

余談:アフィリエイトブログ・有料ブログ=「ビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的」?

フリーランス協会は問合せを無視している?

アフィリエイトや有料ブログ等への誘導、フォロワー増加など、ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられるお問合せ、または情報を切り貼りして不正確な言説を広める意図があると見受けられるお問合せへの情報提供は、1回までという方針に致しております。

これは完全に余談ですが、この点について、個人的に引っかかりを感じたので、私のブログに対する考え方を書きます。

私はフリーランス当事者として、「自分の知識や経験の中に、他の方にも役立つ情報があるのであれば、共有したい」という思いから、このブログを書いています。
以前からの読者の方には、私の気持ちはご理解いただけていると思いますが、改めてお伝えしたいと思いました。

確かに、このブログにはアフィリエイトリンクや、投げ銭ボタンが付いています。

アフィリエイトについては、「私・読者・企業、三方良しの情報の共有の方法」と考えるので採用しています。
私が良いと思ったものを、ブログで紹介するとき、読者の方にも購入リンクがすぐついていたほうが便利だと思います。企業も僅かな宣伝費で効果的に宣伝できますし、私自身にも手数料収入が入ります。まさに、三方良しだと思います。

投げ銭ボタンに関しては、読者の方の中に「投げ銭でコミュニケーションを取りたい」というニーズや、「有料の形でないとメッセージを送りづらい」と言う心理があるように感じており、こういった形でコミュニケーションを取りたい方への入り口として設置しています。

ですので、もしフリーランス協会が、問い合わせをした人が「アフィリエイトや有料ブログをやっている」というだけで、「ご自身のビジネスのためトラフィックを稼ぐことが目的の可能性が見受けられる」と判断して、問い合わせに答えないことがあるのであれば、とても残念だと思いました。

参考:フリーランス協会問題についての情報提供先

私の他にも、今回の声明に限らず、フリーランス協会の活動や平田氏の発言に疑問を感じている方、心を深く傷つけられた方が、たくさんいるのではないかと思います。
実際に、私のところにも、そういった声が届いています。

そういった方は、犬飼さんに情報提供をされると良いのではと思います。

こちらに犬飼氏への連絡先があります。

juninukai.theletter.jp

公取委に情報提供するのも良いと思う(2023/9/7追記)

「特定受託事業者に係る取引の適正化に関する検討会」の委員名簿に、フリーランス協会代表理事の平田氏の名があるのを発見しました。
これはいわゆる「フリーランス新法」についての検討会です。

www.jftc.go.jp

このままでは、フリーランス新法は、フリーランス当事者のための法律にはならないと思います。不安でならないです。
私のように、フリーランス協会や平田氏に疑念を感じている方、実際に何らかの被害を受けた経験がある方は、公取委に直接、情報提供を行った方が良いと思います。

www.jftc.go.jp
フリーランス協会に限らず、何かおかしいなと思ったら、問題点はどんどん指摘して、良い社会環境を作っていきましょう!!

参考:フリーランス協会の他にも賠償責任保険はありますよ

petitmatch.hatenablog.com