内閣官房が「フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性」について意見募集
先日の下請法改正、フリーランス新法のニュースに関連しますが、
内閣官房が「フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性」について意見募集をしています。
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000241038
この「方向性」では、「他人を使用する事業者(以下「事業者」という)が、フリーランス(業務委託の相手方である事業者で、他人を使用していない者)に業務を委託する際の遵守事項等を定める。」「(業務委託の際の書面交付義務については)他人を使用しない事業者が、フリーランスに対して業務委託を行うときも同様とする。」
ってなってるので、
このままでは、個人事業主同士でも、書面で、条件を明確化しないと違法になる可能性が出てくると思うんですよね。(2022/09/17 一部誤解していた部分があったので修正しました)
現行の下請法より、かなり厳しくなる気がします。
新法ができるかどうか(しかもそんなにすぐ施行できるのか?)は不明として、今後の方向性を確認するものとしては、下記の記事はわかりやすかったです。
思うところがある方は、ぜひ意見を送ってみてはいかがでしょうか。9月27日23時59分〆切です。
私の個人的な印象
個人的には、現状の下請法(資本金1000万円超の事業者が対象)ですら守らない上場企業が現実に存在し、取締もしっかりと行われてるかというと…?という中で、法律を変更して全事業者に対象を広げたところで実効性があるのか?
という疑問があります。
ですが、理不尽な要求に対して「下請法(もしくは新法)違反なので」というのを理由にして突っぱねられるようになるのは、良い気がします。
でも私個人としては、私の仕事上のルールというかポリシーとして
"個人事業主(一人社長含む)も大企業も同じく、下請法に準ずる形で取引する"
という形でやってきたので、正直なところ法律が変わっても変わらなくても、何も変わりません…
ちなみに最近、下請法違反は、被害を受けている本人以外でも情報提供ができるようになりました。
mm-enquete-cnt.meti.go.jp
↓実際に被害を受けた場合はこちら
mm-enquete-cnt.meti.go.jp
↓買いたたき行為専門の情報提供窓口(誰でも)
mm-enquete-cnt.meti.go.jp
少しでも「おかしいな」と思ったら、下請かけこみ寺に電話して相談するのが良いと思います。
参考:弁護士の福井健策先生によるこの件についてのツイート
先日のフリーランスにも下請法の保護を拡げる件、政府が概要を公表し、意見募集がはじまりました(9/27締切)。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日
・・・このフリーランス新法、資料を読むと、どうも日経の報道以上にコンテンツ・文化分野やネットビジネスへの影響も大きそうですね。https://t.co/WPGhfJSbIo
すべての仕事の発注の際に条件を記載した書面交付(メール可)を義務づけ、買いたたき、一方的な業務内容の変更や減額などを禁止。違反には改善勧告・公表があり。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日
ポイントは、現行の下請法は法人が発注する場合に規制対象が絞られますが、個人が個人に仕事依頼する場合も書面交付を義務づける点。
加えて、規制対象が、下請法は作品・デザイン・ソフトなどの「情報成果物」の依頼など限られており、例えば主催者がイベントへの出演(役務提供といいます)を直接にフリーの方に依頼するケースは、対象外なのですね。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日
新法では、それも含めて広く業務依頼はすべて対象になるように読めます。
つまり、すべてのフリーランスが守られ、同時に義務づけられるルールになりそうです。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日
疑問点は、下請法の改正で行かずに新法を作るのか。下請法のように刑事罰も作るのか。
多様な現場のリアルを反映したルールになるよう、皆さんのパブコメが大事になりますね。
くり返しますが、こうして発注書・契約書が増えるほど、それを読みしっかり協議する力が、双方にとって重要になります。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日
書面がなければ、ある程度は民法・著作権法などの原則が守ってくれます。が、契約書面には原則を変える力があり、通常は作成者側に有利に作られやすいからです。
もちろん契約教育も。とり急ぎ、以上です。
— 福井健策 FUKUI, Kensaku (@fukuikensaku) 2022年9月14日