TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

【メモ】毎日新聞の五輪風刺漫画、「著作権侵害の可能性」というのはちょっと無理があるのでは

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こちらの記事につきまして、思うところを書きます。

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実は私は、「はらぺこあおむし」をちゃんと読んだことがありません。
幼少時に「絵本」として読んだのではなくて、確か大学の時に大学の授業で「デザインの勉強」として初めて触れて、それが確か海外版の玩具バージョンとかそういうやつで、まっとうな絵本じゃないパターンのしか見たことがなく、話とかオチとかを全然覚えていない。あたしゃ「きかんしゃやえもん」とか日本の絵本で育っているのさ。

なのでアレなのですが、しかしこれを著作権法違反とするのは、ちょっと無理があるのでは。斎藤理央先生は面識はないのですが、確かに著作権専門の弁護士で、うっすら知っており、今まで悪い印象がなかったために、ちょっとビックリしました。

なんか「多くの人は絵や写真などの画像や立体物などの形をきちんと『見る』ことがそもそもできていない」みたいなことをどこかで聞いたことがあるのですが(誰に聞いたかは忘れた。デッサンとかクロッキーは『描く練習』と思われがちなんだけど、どっちかというとその『見る力』を鍛える作業です)そういう方向でビックリしました。

美術とか音楽とか芸術の授業って、今削られがちと聞くのですが、削るとこうやって文化的教養・素養がない弁護士が著作権の裁判をやるようになってしまうように思い、恐ろしいことだと思いました。既にそうなってるのかもしれないですが…
この感性で、写真著作権とかの裁判を本当にちゃんとできてるのかな…(斎藤先生はネット上の画像無断使用の法的対応とかに割と強いみたい)←私はお願いしたことがないです

最近、本来は「著作権法侵害」で取り上げるべきでない事件を、著作権法侵害で攻めて解決しようとする事例を複数見かけたり、耳に入ることが増えていて、気になっています。
著作権侵害が違法・犯罪と知ってくれる人が増えたことは、良いことなのですが…
なんか最近は、著作権を中途半端にしか理解しておらず、自らの権利を自分で捨てる、みたいなことをしてる同業者とかもいて、そういう人たちにホントムカついています。

こういうことについて、説得力を持ってちゃんと説明できるようになりたいので、知的財産管理技能検定取ろうかな…という気になってきました。

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他の弁護士さんの意見まとめ

togetter.com

はてなブログで見つけた企業法務担当者の方のブログ(2021/6/12追記)

だが、表現、そしてその背景にある文化を守る、という視点に立った時に、何でもかんでも「著作権」等の権利紛争の土俵の上に載せようとすることは、果たして正しい在り方なのだろうか?

文化を守る、ということの重さ。 - 企業法務戦士の雑感 ~Season2~