TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

「noteのコメント欄は荒れない」発言への疑問

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正直、こんな記事はわざわざ書きたくないのですが、さすがにちょっとこれはないんじゃないの?と思う記事を見かけたので、新たに記事を書くことにしました。

「noteのコメント欄は荒れない」発言への疑問

先日、noteの事業発表会があり、その中で、

質疑応答では、ヤフコメと比較してnoteでは誹謗中傷コメントにどう対処しているのかが問われた。加藤氏は「そもそもnoteのコメント欄は相対的に荒れないようになっている」と語り、その理由をこう続けた。

noteは、クリエイターの(宣伝ツールのひとつではなく)“本拠地”になっているからでは。匿名でネガティブなコメントを投げ捨てていっても、いいことが起こらない設計になっている」

www.businessinsider.jpという発言があったそうです。

これは、かつてnoteを利用していた者として、全くおかしな話だと思いました。
「誹謗中傷コメントにどう対処しているのか」の回答は、「クリエイター側でコメントを削除・通報している」だと思います。noteはシステムとして、記事を書いた側でコメントを削除・通報する仕組みがあります。
「誹謗中傷対策」を質問しているのに、「荒れない」が答えというのは、まるで回答になっていません。

運営側から見て、「荒れないようになっている」ように見えるのは、クリエイター側で管理作業をしているからです。私自身も、コメント欄のスパム・書き逃げは、ユーザー(クリエイター)として経験しています。
しかも、私の経験上では、通報しても、悪質なスパムユーザーがなかなか退会になりません。
他の方のnoteを読んでいても、そこまでコメント欄が「荒れない」という印象もありません。荒れるコメント欄はあるし、それで辞めていく人もこれまで見てきました。
実際には「コメント管理をクリエイターに丸投げする」設計にしているだけなのに、

noteは、クリエイターの(宣伝ツールのひとつではなく)“本拠地”になっているからでは。匿名でネガティブなコメントを投げ捨てていっても、いいことが起こらない設計になっている」

と、ユーザー(クリエイター)にかけさせている手間や、noteの運営の対応の悪さのために退会した人のことは無視し、特にデータ的に根拠がないようなことを「クリエイターの本拠地となるような良い空間に自分が設計してるから」と、さも「自分の功績」のように発言することは、極めて図々しい行為と私は感じました。

実際には、嫌がらせ行為が起きても放置されている状態

petitmatch.hatenablog.comまた、上記の記事の中で、「トラブル発生時の呆れた『謎対応』  noteとのやり取りに疲れ果てて泣き寝入りするユーザーも」以下に記載した、「内容証明郵便がnoteに公開されている」トラブルは、もともとはコメント欄でのトラブルが原因となっています。

note側の感覚では、これは「荒れていない」のかもしれませんが、事実としてはコメント欄でトラブルが発生しており、コメント欄トラブルにおさまらない嫌がらせにまで発展してしまっています。上記記事で2021/4/15の追記にも書きましたように、ひどい嫌がらせ行為がnote上で実際にされていても、放置されています。

このような状態で、「noteのコメント欄は荒れない、そういう風に設計してるから」という発言をするのは、あまりに無責任なように思いました。

noteのMAUはMAUではない

さらに、記事冒頭に「2020年5月には月間アクティブユーザー(MAU)は6300万を突破した。」という記述がありますが、以前私のブログでも書きましたが、noteのMAUは独自基準であり、「月間アクティブユーザー」の数ではないです。noteのMAU=月間ユニークブラウザ数であり、アクティブユーザー数とは別のものです。

petitmatch.hatenablog.com*ちなみに「ビュー」もPVではないです。

petitmatch.hatenablog.com

note社もダメだが、それをきちんと取材できないメディアにも問題がある

noteで起こる各種の問題については、社長の加藤氏による、昨年のcakes連続炎上の際のように、具体性のない、現実を見ない発言が繰り返されることや、昨年のIPアドレス露出事件のときのように、「事故報告」や「お詫び」文を、一度出した後でこっそり書き換える広報にも相当問題がありますが、今回のビジネスインサイダーのMAUの件のように、簡単に「独自基準」の数字に騙されてしまったり、きちんとした取材ができない、メディア側のレベルの低さも問題であると考えます。

今回の発表会の内容は、「今後の実装を『目指す』新機能」というものであり、「こうだったらいいな」という「研究開発レベル」の内容しかなかったようです。時期も、実際に実行されるかすらも決まっていないようです。

signal.diamond.jp
こういった未確定なことを、さも将来的に実現することかのように、わざわざ見出しに取って記事にする方にも、問題があると考えます。こんなことでは、メディア不信がますます進むばかりでしょう。

今回の記事でも書きましたし、以前の記事にも書きましたように、

petitmatch.hatenablog.comnote株式会社にも、かなり問題はありますが、事実を検証する役目を果たせないどころか、彼らの「拡声器」と成り下がってしまっている各メディアにも、相当問題があるように思います。

note上のトラブルで苦しんでいる方へ

note上での問題における相談先は、下記の記事にまとめておきました。

petitmatch.hatenablog.com自分の身は自分で守るしかありません。知識を身に着け、身を守っていきましょう。