TOMOKO OOSUKI

イラストレーター オオスキトモコのブログです。

後ろ向きな絵手紙をつくりました(今さら)

内海慶一さんと「後ろ向きな絵手紙」を共作しました。

pictist.sblo.jp

5年以上前、ツイッターで、突如「後ろ向きな絵手紙」ムーブメントが起こったことがありましたよね。

togetter.com

私も描きました。

それから数年後のある日、内海さんから共作のお誘いをいただきました。
これは、とても嬉しいことでした。

そして、私の絵手紙の研究がはじまりました。
確かにスローペースではあったのですが
空いた時間ができると、ほそぼそと、絵手紙の本を読んだり、実際に描いてみたりしました。

しかし、なんかうまくいかないな〜??と、結構長い間、思っていました。

ある日、
「一回全部、画材から何から、本に書いてある通りにやってみようかな」
と思い、ヨドバシで一気に絵手紙道具を買ってみたところ…
みるみるうちに、絵が絵手紙風になりました。

絵手紙は、見た感じ「線画ありの水彩画」のように見えるけれど、
いわゆる「水彩画」とは、かなり違った画材を使います。

そもそも、水彩絵具も、使わないのです。

線画部分は書道用小筆と青墨で描き、着彩は彩色筆と顔彩(日本画の絵具の一種)で行います。

私は最初、なるべく楽に「絵手紙風」の絵を描けないかな?
と思い、いつも使っている画材であるコピックスケッチ

copic.jpで「後ろ向きな絵手紙」を描こうとしていました。
コピックスケッチでも、それなりには描けます。この3枚は全部コピックスケッチで描いたものです。

あと、最後に押すハンコ(落款)も、最初は直接描いていました。
その後、内海さんがPhotoshopで落款を作ってくれたので、それを合成しようとしたが、しっくり来ませんでした。
そこで、消しゴムハンコを彫ることにしました。そしてシャチハタのスタンプパッドで押してみました。
が、なんか違う。
そこで、やはり絵手紙の本に登場する「印泥」を使って押してみたところ…
なんか、急に絵手紙感が出た。

印泥は乾燥するとだめなので、サランラップで保護して保存しています

そんなわけで、「絵手紙の本に書いてある通りの道具で、本に書いてある通りに描けば、かなり絵手紙みたいな感じになる」(当たり前)ということがわかり、絵はまあ、あとは修行するのみとなった。
絵手紙の技法は、かなり再現性が高い形で洗練されている ということがわかった。
絵手紙、すごい。

その後、ただでさえ、のろのろとしているのに、絵に水をこぼしたり、季語を間違えたり、いろいろとあって…

そして、ようやく完成した一枚がこちらです。
「秋も なまける」